アマレコTVスレについて その4 4K録画
おおもとの質問は「PCゲームを4K 60fpsで録画できるコーデックはありますか?」ですがコーデックの話だけでは意味がないのでもっと広範囲について述べます。
4K録画についてはAMV4公開時に4K対応を謳おうかどうか迷った部分です。
理論上は可能ですが、実際に4K録画のテストをしてみたところ確実にできると言える結果とはならなかったため結局4K対応は謳わなかったと言う経緯がありますが、現状、一般的な環境において4K録画を行うにはビデオコーデックの処理能力、CPUの処理能力、ビデオファイルを書き出すストレージの処理能力の全てが4Kの要求スペックを満たす必要があります。
あと使い方によって変わってきてしまうため何とも言えませんが、キャプチャソフトの処理能力やビデオキャプチャカードを使うならそちらも4Kの要求スペックをクリアする必要がありますし、PCゲームをデスクトップキャプチャやDirectXキャプチャで録画するなら更にゲームを4Kで動作させるだけのスペックが必要となります。
1.コーデックとCPUについて4Kを満たすスペックとは?
ビデオコーデック・ベンチマーク2014夏

理論上はこのベンチマーク結果を9で割った数値(※)が60fpsを上回れば4Kを処理する能力のあるコーデックと言えます。
言い換えるとグラフ内のfpsが540fps以上なら良いとなります。
※ (3840x2160) ÷ (1280x720) = 9
AMV4は処理の遅いDY3でも9で割った値が100fpsを上回るため理論上エンコード、デコードとも4Kを十分処理できます。
他のコーデックについては一般的なCPUの処理能力(1スレッド)では無理であると言えます。
なお、UT Videoに関しては4コア8スレッドで処理することで理論上可能となってきます。

このように現状における4Kの要求スペックは以外と高く、ほぼAVX2対応のCPUとAMV4一択なのではないでしょうかと言うのが私の見解です。
2.4K録画を可能とするストレージとは?
次に動画ファイルを書き出すストレージの処理能力ですが、無圧縮であった場合約1000MB/s(※1) 必要となります(RGBの場合約1500MB/s)。
なので、無圧縮で録画するには最低でもSSDを3台以上ストライピングする必要がありますが、それでも実際にできるかどうかはちょっと判りません。なので、コーデックを使って圧縮するのが現実的です。
圧縮した場合の要求スペックはYUY2フォーマットの場合 約333MB/s(※3) になりますので、理論上SSDを1台用意すれば可能なように思えます。RGBについては不明ですが適当に書くと600MB/s(※4) くらいでしょうか。圧縮したとしてもSSDは2台以上必要に思われます。
※1 4K(YUY2フォーマット) 60fpsの場合 3840x2160x2x60 = 約995 MByte
※2 4K(RGB24フォーマット) 60fpsの場合 3840x2160x3x60 = 約1492 MByte
※3 圧縮効果を3と仮定
※4 圧縮効果をYUY2より悪く2.5と仮定
3.実際のテスト
以上を踏まえ理論上4Kの要求スペックを満たす環境を用意してテストを行いました。
CPU: i7-4770 @3.4GHz固定 AVX2対応
コーデック: AMV4 DY3
ストレージ: CSSD-S6T256NHG5Q 公称値でシーケンシャルライト483MB/s
キャプチャソフト: アマレコTV
キャプチャカード: くるくるベンチ 3840x2160 YUY2 59.94fpsに設定
結果は録画を開始すると徐々に書込みバッファの空きが減っていき、書込みバッファの空きが0%になるとまともに録画できなくなります。
出来上がったビデオファイルを再生すると書込みバッファが枯渇するまでの部分は正常に見えましたが、後半は明らかにスペック不足でまともに録画できるとは言えない状態です。
アマレコTVのレポートファイル(書込みバッファが枯渇する前の正常な部分)をみると
VT=00:00:04.442s( 265f), Cap= 0f( 0D), Enc=13.077ms, Siz=4186KB( 25%)KEY, Drp=0, (+)0, (-)0, Buf= 1, o
IT=00:00:04.442s, HDD=244.8MB/s( 95%), fps=59.9f/s
となっているので、このテスト条件のストレージ要求スペックは244MB/sであることが判ります。
一方、エンコード処理は13ms前後なのでぎりぎり60fpsのリアルタイム処理をクリアしていると言えます。
以上より、CPUとコーデックは4Kの要求スペックを満たしていると判断しますが、アマレコTVのファイル処理とSSD 1台の構成は4Kの要求スペックを満たしていないようです。
録画失敗の原因はSSDが公称値を下回るかアマレコTVのファイル処理がSSDの性能を発揮しきれていないと言ったところでしょうか。
4.まとめ
現状、一般の人が4Kの録画を行うにはi7 AVX2対応以上のCPUとAMV4ビデオコーデックは必須のように思います。
それに加え、SSD複数台かアマレコTV以上のファイル処理が実装されたキャプチャソフトが必要と思われますので、まだまだ実現するのは難しいと私は感じました。
更にPCゲームとなると絶望的なように思いますが、NVidiaのShadowPlayのようにビデオカード上でエンコードするようなシステムであれば可能なようです。h264でエンコードすればストレージの要求スペックも大幅に下がりますので、そちらの方が現実的と言えなくもないけど、はやりそこそこ高価なGPUが必要なようですし、ビデオキャプチャでは使えないので、何とも言えないか。
あと、4K対応のビデオキャプチャカードも販売されているようですが要求スペック(CPU、コーデック、キャプチャソフト、ストレージ)が明記されていないので、どういった構成で運用できるのか私も知りたいところです。
4Kを扱うためのプラン
1) 無圧縮プラン: SSD 3台以上のストライピングが必要(実際はもっとかもしれない)
2) AMV4圧縮プラン: AVX2対応のCPUとSSDの性能を引き出せるキャプチャソフトかSSD 2台以上のストライピングが必要
3) ShadowPlayプラン: GTX900番台が必要?(PCゲーム専用、ビデオキャプチャは不可)、ストレージはHDD 1台で可(ただし画質次第)
アマレコTVスレについて その3 書込みバッファが0%
録画中にアマレコTVのステータス欄のHDDの空きバッファが0%になってしまいうとのことなので、完全にHDDの書込み速度不足が原因です。
録画保存先を別のHDDへ変更するか、不要なファイルを削除してからデフラグ等でメンテナンスしてみてください。
そして、何より重要なのが圧縮効果の高いコーデックを使うことです。
処理速度の問題だと考えてAMV4をDY2へ設定して使っているとのことですが初期値は圧縮効果の高いDR3です。DY2へ変更するのは逆効果となってしまいます。
一般的にアマレコTVとAMVビデオコーデックに関してはCPUへほとんど負担がかかりません。なので通常の利用において処理を早くするような設定にする必要はありません(特にコーデックの設定を変更する必要はありません)。
むしろ、録画に関してはHDDへ負担がかかりますので圧縮効果の低い設定にしてはいけません。
DR2やDY2は極端にCPUが非力な場合や強力なストレージを用意する代わりに極端にCPU負荷を減らしたい場合に使う設定です。一般的な用途には不向きです。何よりファイルサイズがデカくなるデメリットがあります。
まとめると
・AMV4をDR3かDY3へ設定する
・録画先HDDの不要なファイルを削除した後、デフラグをする
・それでもだめなら、アマレコTVの録画設定でfpsの目安を30fpsとして妥協するか、HDDを買い足すしかない。もしくはMJPEG等の非可逆コーデックを使う。
と思ったけど、すでに30fpsにしても根本的な改善はみられないようなので、致命的にHDDへの書き込み速度が足りない可能性が高いです。
1280x720 YUY2 30fpsをAMV4のDY2で録画する場合、1秒間に30MB程度の書き込みができればいけると思いますが、30MBを下回るとなれば相当重症な気がします。(今どきのHDDなら大抵100MBを超える)
システムメモリが不足していてHDDの一部が仮想メモリとなってしまい、録画と仮想メモリでHDDが悲鳴を上げている可能性もあるし、セキュリティソフトなのどの常駐ソフトもHDDへ頻繁にアクセスしているかもしれません。そもそも、物理的な故障も視野に入る状況なので、小手先の対処は不可能です。
録画専用にHDDを増設、システムメモリの増設、セキュリティの見直し、常駐ソフトの見直しOSのクリーンインストール、マザーボードやストレージインターフェイスの交換などが必要かもしれません。
当初、質問者はHDDの空きバッファが0%になっていることに気が付いているので簡単に解決しそうに思いましたが、HDDに致命的なトラブルが生じていると解決は難しいかもしれません。一つ言えることはアマレコTVやAMV4ビデオコーデックの設定などでは改善されないでしょう。
AMV4ビデオコーデックとアマレコTV Ver3.10公開
AMV4ビデオコーデック
【概要】
AMV2MTビデオコーデックの後継にあたるビデオコーデックです。
最新のCPU拡張命令であるAVX2へ対応し、処理速度が大幅に向上しました※1。
アマレコTVと組み合わせることでソフトウエアエンコーダーながらIntelのQuick Sync VideoやNVIDIAのNVENCと言ったCPUをほとんど使わないエンコーダーよりも少ないCPU負荷でFullHDの録画が可能となります。
AMV4は動画エンコード支援機能QSVを凌ぐ超低負荷
また、圧縮効果も二次圧縮の適用(一度圧縮したデータをもう一度圧縮する)などにより性能が向上。
リアルタイムで動作する可逆圧縮ビデオコーデックとしてトップレベルの圧縮性能を誇るまでになりました。
ビデオコーデック・ベンチマーク2014夏
そのほか64bit版のWindows7/8へ対応※2。64bitOS上では32bitアプリケーションと64bitアプリケーションの両方で利用できます。32bitのキャプチャソフトで録画して64bitの編集ソフトで編集するなどがProxy Codec64なしに可能となります。
QSVやNVENCを凌ぐ圧倒的な処理速度と、可逆圧縮としてトップレベルの圧縮効果を併せ持つ究極のソフトウエアエンコーダーとなっています。
※1 AVX2が利用できないパソコンではCPU拡張命令のSSE4.1を使って動作します。SSE4.1の場合でもAMV2MTビデオコーデックより速い処理と、高い圧縮効果を実現します。
※2 32bitOS用のインストーラも用意していますが、動作確認がとれないため動作対象外としています。
【その他】
(1) 各アプリケーションについて
ファンタジーリモート、アマレココ、アマレコ・ライトを使うには今まで通りAMV3が必要です。
アマレコTVを使うにはAMV4が必要です。
(2) AMV4オンラインヘルプについて
http://amalabo.blog35.fc2.com/blog-entry-270.html
(3) AMV2MTとAMV4の違い まとめ
http://amalabo.blog35.fc2.com/blog-entry-271.html
(4) AMV4ビデオコーデック 内部仕様でみるAMV4とAMV2MTの違い
http://amalabo.blog35.fc2.com/blog-entry-263.html
アマレコTV Live アマミキ! Ver3.10
【更新内容】
アマレコTVがAMV4仕様になり、Windows7/8へ暫定対応しました。
録画やリプレイ機能でAMV4ビデオコーデックを使います。圧縮効果が向上したためファイルサイズをより小さくしたり、リングバッファの記録時間を延ばす効果があります。
(1) Windows7 sp1 64bit版およびWindows8.1 64bit版へ暫定対応。
(2) CPUの拡張機能SSE4.1が必須になります。
(3) メインのコーデックをAMV4ビデオコーデックへ変更。
(4) リプレイ機能がAMV4ビデオコーデックへ対応。
(5) 録画設定のハーフサイズを廃止。
(6) オーディオデバイスを使わない時にMP3で圧縮する設定になっているとエラー落ちする不具合を修正。
(7) 録画停止時に書き込みエラーが起こる不具合を修正。
ダウンロード
ホームページ
ビデオコーデック・ベンチマーク2014夏
今回はほとんどのコーデックに更新が無いため特筆すべき点がAMV4ビデオコーデック以外ありません。テストは公平に行いますが、記事はAMV4ビデオコーデック中心となることをご了承ください。
おそらく集約命令(Gather命令)が実用化されることで他のコーデックの性能も上がってくると思うので、それまではこんな状態が続くと思います。
1.テスト内容と条件
ベンチマークはHD(1280*720)のビデオキャプチャおよびPC画面のキャプチャを想定しています。
適当なサンプル動画(未圧縮YUY2および未圧縮RGB32)を用意して、Ut Videoの作者である梅澤さんが公開しているVC Testを使って処理速度と、圧縮効果を測定します。
1.1.テスト内容
次のPCを使い、3つのサンプル動画それぞれのテストと、マルチスレッドによる処理速度のテストを行います。
1.2.PCスペック
OS | Windows8.1 x64 Professional |
CPU | Intel(R) Core(TM) i7-4770 CPU @ 3.40GHz Haswell |
MB | ASRock H87 Performance (Intel H87) |
Memory | DDR3 1600 16GB(8GBx2 Dual Cannel)read=25.4GB/s write=14.8GB/s |
Software | Video Codec Test 2.0.0 |
備考 | CPUは4コア、8スレッド、HTT対応、AVX2対応。動作クロックを3.4GHz(定格)で固定し、省電力設定およびTurbo BoostはBIOSで無効化、動作クロックがテスト中に変動しないようにしています。 |
※ メモリーのread,writeはCrystalMark 0.9.114によるものです。
1.3.サンプル動画
タイトル | Mystery of the Nile |
情報 | 1280*720、2082frames、1分26秒、3,837,598,360Byte ![]() |
備考 | AviUtlを使ってYUY2未圧縮に変換。 動きが激しくて、画質も悪いため圧縮しにくい不利な条件のそろった動画によるテスト。 いつものベンチマークで使っている動画と同じものです。 |
タイトル | The LEGOR Movie - Official Main Trailer [HD] |
情報 | 1280*720、4321frames、3分00秒、7,964,559,144Byte ![]() |
備考 | youtubeから720p版をダウンロードしてAviUtlでYUY2未圧縮に変換 動きが少なく、画質もいいため圧縮しやすい有利な条件のテスト。 また、上下に黒帯が付いているので、黒帯部分で高い圧縮効果が得られるコーデックに有利となります。 |
タイトル | Street Fighter IV |
情報 | 1280*720、15820frames、4分23秒、58,319,119,660Byte ![]() |
備考 | ゲームのベンチマークソフトを1280x720、60fpsに設定して実行。 アマレコTVのウインドウキャプチャを使ってAMV2MT:R2の可逆圧縮で録画。 Virtual Dubを使ってRGB32未圧縮に変換。 PC画面を録画することを想定したRGB可逆圧縮のテストです。 参考動画 |
1.4.コーデック
コーデック名 | bit | 内容 | 設定 |
AMV2MT Video Codec Ver 2.20i | 32 | YUY2のテストでは「Y2標準可逆」を使用 RGB32のテストでは「R2標準可逆」を使用 ライセンス登録済(ロゴなし) | ![]() |
NEW AMV4 Video Codec Ver 4.00 | 64 | AVX2版を使用 ライセンス登録済(ロゴなし) YUY2のテストでは「DY2:標準可逆(速度)」 及び「DY3:高圧縮可逆(圧縮)」を使用 RGB32のテストでは「DR2:標準可逆(速度)」 及び「DR3:高圧縮可逆(圧縮)」を使用 | ![]() |
Huffyuv Ver 2.1.1 | 32 | Predict median(best) RGB32のテストではアルファチャネルが含まれます。 | ![]() |
NEW UT Video Codec Suite Ver14.2.0 | 64 | 「圧縮率優先」および 「デコード速度優先」の2パターンをテスト YUY2のテストでは「ULY2」を使用 RGB32のテストでは「ULRG」を使用 | ![]() |
Lagarith Lossless Video Codec Ver 1.3.27 | 64 | YUY2のテストでは「YUY2」を使用 RGB32のテストでは「RGB」を使用 | ![]() |
Alparysoft Lossless Video Ver 2.0 | 32 | lossless compression enable prediction realtime ロゴあり | ![]() |
CorePNG Ver 0.8.2 | 32 | 1-Fastest | ![]() |
NEW MLC Codec Ver 1.2 | 64 | Muximum speed Use Multithreading off | ![]() |
FastCodec Ver 1.0beta | 32 | Absolutely lossless | ![]() |
MSU Lossless Video Capture Ver 0.6.0 | 32 | Absolutely lossless Maximize speed RGB32には対応していない | ![]() |
※ bitはvctest-x86でテストしたものを「32」、vctest-x64でテストしたものを「64」としています。 両方用意されているコーデックでは64bit版を優先してテストします。
※ 規定の手順でWindows8にインストールできないコーデックを除外しました(Huffyuvだけは手動でインストールしてテストしています)。
2.結果
2.1.動きの激しい比較的低画質な実写映像
※ fpsは1秒間に何フレーム処理できるかを示し、数値が高いほど優れています。
※ compression ratio(圧縮効果)は未圧縮のデータに対し何分の1に圧縮できるかを示し。数値が大きいほど優れています。
圧縮効果の面でMLCが4.3と非常に優れています。
AMVビデオコーデックにとってはあからさまに不利な条件でのテストなので、圧縮効果の面で最下位。
処理は速いけど圧縮効果が低いコーデックと言った位置づけになります。
一方、AMV4のDY3は不利な条件でもそこそこの圧縮効果を発揮しています。
また、AMV4のデコード処理は大幅に高速化されていて、AMV2MT:Y2の527fpsに対しAMV4:DY2(AVX版)のデコード速度は1802fps(3.4倍)です。
そのほかでは、UT Video速度優先のエンコード処理がHuffyuvに肉薄しています。この部分は過去のベンチマークをみると徐々に差を詰めてきています。
2.2.動きの少ない高画質なCG映像
処理速度を見ると、大半のコーデックにおいてサンプル動画1のテストよりエンコード処理が早くなっている事が解ります。
多くのコーデックにおいて圧縮し易い映像では処理が早くなる傾向があるようです。
それに対しAMVビデオコーデックはサンプル1とサンプル2を比較してもエンコード処理の差はわずかとなっています。
AMVのエンコードには条件分岐処理が存在しないため映像の内容による処理時間の変動が起きにくい特徴があります。
次に圧縮効果の面をみると、MSUが18.1と突出しています。
そのほかは圧縮効果が5.0前後の集団と、10.0前後の集団(MLC、Lagarith、AMV4DY3)の2つに分かれます。
5.0前後の集団は映像の内容によらず5.0辺りから圧縮効果が伸び悩み、好条件であってもなかなか高い圧縮効果が得られません。
一方、10.0前後の集団は映像の内容によってはもっと高い圧縮効果が狙えます。
AMV4のDY3は二次圧縮を適用したことで、動きが少なかったり、単調な画像(グラデーションやべた塗りなど)、黒帯があるなどの条件において高い圧縮効果が狙えます。
| AMV2MT Y2 | AMV4 DY2 | AMV4 DY3 | 備考 |
Mystery of the Nile | 2.09 | 2.52 | 3.09 | WMV |
The Discoverers (IMAX) 720p | 4.13 | 4.16 | 4.95 | WMV |
The Book Thief Trailer | 4.32 | 4.95 | 7.37 | H264 |
RoboCop TRAILER 1 | 4.17 | 4.92 | 7.54 | H264 |
The LEGOR Movie | 5.35 | 5.93 | 9.44 | H264 黒帯あり |
Transformers 4 | 5.38 | 6.32 | 10.33 | H264 黒帯あり |
Veronica Mars | 7.09 | 7.72 | 13.66 | H264 黒帯あり |
2.3.ノイズが一切ないゲーム画面のキャプチャ
Huffyuvはアルファチャネルも処理しているため不利な結果となっています。
MSUはRGB24でないと使えないようです。
2.4.マルチスレッドによるテスト
最後に各コーデックをマルチスレッドに設定した場合の処理速度を観察します。
AMV4はSSE4.1版とAVX2.0版をテストしています。
カッコ内の数値はスレッド数(フレーム分割数)で、1となっているのはシングルスレッドで処理しています。
mは「マルチスレッドを使う」と言う項目が用意されているだけでスレッド数が不明のコーデックです。
テストにはサンプル動画1を使います。
Lagarithはマルチスレッドオプションを有効にすることで1.5倍程度fpsが向上しています。
MLCはマルチスレッドを有効にすることで約2倍fpsが向上。シングルスレッドでは720p 60fpsの録画は処理が間に合わず無理ですがマルチスレッドに設定することで可能性が出てきます。
UT Videoは分割数を増やす毎にfpsが上がっていくのがわかります。
4コア8スレッドのCPUによるテストなので、4分割あたりで頭打ちされるかと思いましたが、ハイパースレッドテクノロジーも有効に働くようです。
fpsが最も高くなるのはAMV2MTを8スレッドに設定した場合で2000fpsを超えます。
AMV4のAVX2版はSSE4版に対しエンコードで約1.4倍、デコードで約1.8倍の性能。128bitのSSEレジスタから256bitのAVXレジスタへ対応した効果が得られています。
ビデオコーデック・ベンチマーク2009と2012夏の比較
・ビデオコーデック・ベンチマーク2009
・ビデオコーデック・ベンチマーク2012夏(2012.9.4修正版)
2009年 | 2012年 | 倍 | |
OS | Windows2000 Pro SP4 | Windows7 x64 Professional SP1 | - |
CPU | Celeron420 (Conroe-L) 1.6GHz | i5-3470S (Ivy Bridge) 2.9GHz | クロック 1.8倍 |
Memory | DDR2, 1GB (single) read=3.3GB/s write=1.2GB/s | DDR3, 1600 8GB (4GBx2 Dual Cannel) read=23.7GB/s write=12.2GB/s | read 7.1倍 write 10.1倍 |
AMVビデオコーデック Version | 2.20e 3.00e | 2.20i 3.00i | |
UT Video Version | 5.2.2 | 11.1.1 | |
Lagarith Version | 1.3.19 | 1.3.27 | |
Huffyuv Version | 2.1.1 | 2.1.1 |
1.圧縮効果について
2009年と2012年を比較してどのコーデックも大きな変更は見られず。
圧縮効果に付いてはパソコンの性能とは無関係なので、各コーデックのバージョンアップによる性能向上となりますが、今回テストしたコーデックの中で大きな変化は見られませんでした。
2009年 | 2012年 | 倍 | 補足 | |
AMV2MT:Y2 | 2.1 | 2.1 | 1.0倍 | - |
UT Video速度優先 | 2.8 | 2.8 | 1.0倍 | 2012年はx64版 |
UT Video圧縮優先 | 3.4 | 3.4 | 1.0倍 | 2012年はx64版 |
Lagarith | 3.8 | 3.8 | 1.0倍 | 2012年はx64版 |
Huffyuv Predict Left | 2.5 | 2.5 | 1.0倍 | 同じバージョン |
2.処理速度について
2009年と2012年を比較してCPUの処理能力が上がっているため各コーデックの処理能力も2倍から3倍と早くなっています。
クロックは1.6GHzから2.9GHz(1.8倍)なので段純なクロックアップだけでなくメモリの性能向上も大きいように思います。
特にLagarithは処理時間が大きく向上しています。これはLagarith自体のバージョンアップによる改善(2倍程度)が大きいようです。
一方、Huffyuvはエンコード速度が2009年のときより遅い結果となっています。
2009年 | 2012年 | 倍 | 補足 | ||
AMV2MT:Y2 | Enc | 188 fps | 602 fps | 3.2倍 | - |
Dec | 170 fps | 404 fps | 2.3倍 | ||
UT Video速度優先 | Enc | 77 fps | 175 fps | 2.2倍 | 2012年はx64版 |
Dec | 42 fps | 114 fps | 2.7倍 | ||
Lagarith | Enc | 20 fps | 90 fps | 4.5倍 | 2012年はx64版 |
Dec | 14 fps | 54 fps | 3.8倍 | ||
Huffyuv Predict Left | Enc | 127 fps | 122 fps | 0.9倍 | 2009年より遅くなっている |
Dec | 33 fps | 45 fps | 1.3倍 |
Ver1.3.19 | Ver1.3.27 | 倍 | ||
Lagarith x64 | エンコード | 46 fps | 90 fps | 1.9倍 |
デコード | 32 fps | 54 fps | 1.6倍 | |
圧縮比 | 3.80 | 3.81 | 1.0倍 |
3.マルチスレッドでの動作について
2009年はAthlonX2の2スレッドで処理した場合に1スレッドでの処理の何倍になるのか、2012年はi5-3470Sの4スレッドで処理した場合に1スレッドでの処理の何倍になるのかを見ます。
基本的にスレッドの数が2倍になったら処理能力も2倍になって欲しいところですが、 実際はマルチスレッドで処理するために必要な処理が増えるので2.0倍より少なくなります。
2009年は2スレッドなので2.0倍、2012年は4スレッドでテストしたため4.0倍に近いほど良いと言えます。
AMVとUT Videoは高い適応力を持っていると言えますが、Lagarithはスレッド数やフレーム分割数と言った設定が無いためCPUが4スレッドに対応していても4スレッドで処理される訳ではないようです。この結果(2009年と2012年でほぼ同じ)を見る限り2スレッドで頭打ちされているように見えますので、マルチスレッドへの適応力は低いままと思います。
2009年 (2スレッド) | 2012年 (4スレッド) | 補足 | ||
AMV2MT:Y2 | Enc | 1.7倍 | 3.0倍 | - |
Dec | 1.8倍 | 3.4倍 | ||
UT Video速度優先 | Enc | 1.9倍 | 3.1倍 | 2012年はx64版 |
Dec | 1.9倍 | 3.6倍 | ||
Lagarith | Enc | 1.5倍 | 1.4倍 | 2012年はx64版 |
Dec | 1.2倍 | 1.2倍 |
ビデオコーデック・ベンチマーク2012夏(2012.9.4修正版)
基本的には「ビデオコーデック・ベンチマーク2009」と同じですがWindows7 x64での動作になります。
「ビデオコーデック・ベンチマーク2012夏」と同じ内容になりますが、テストに使った動画が2009年のものと僅かに違っていたため再テストしました(2009年に使った動画ファイルが見つかったのでそれを使用)。
再テストではLagarithの結果が多少変わってきます。AMV、UT Video、Huffyuvの結果は殆ど変わりません。
2009年のデータと比較する場合はこの記事(2012.9.4修正版)と比較してください。
【測定条件】
ベンチマークはHD(1280*720)のビデオキャプチャ(実写)を想定しています。動画ソースはマイクロソフトのサイトからダウンロードしたWMV形式のファイルをAviUtlを使ってYUY2未圧縮に変換したものを使います。 (2009年の「動きの激しい動画」と同じになります)
測定はUt Videoの作者が公開しているVC Test(2010年10月24日版)を使ってエンコード時間(圧縮にかかった時間)、デコード時間(復元にかかった時間)、圧縮比(未圧縮ファイルの何分の1に縮まったか)を測定します。
タイトル | Mystery of the Nile |
情報 | 1280*720、2082frames、1分26秒、3,837,598,360Byte |
備考 | AviUtlを使ってYUY2未圧縮に変換 |
OS | Windows7 x64 Professional SP1 |
CPU | Intel(R) Core(TM) i5-3470S CPU @ 2.90GHz Ivy Bridge |
MB | ASRock H77 Pro4-M (Intel H77) |
Memory | DDR3 1600 8GB(4GBx2 Dual Cannel)read=23.7GB/s write=12.2GB/s |
Software | VC Test(2010年10月24日版) |
備考 | CPUは4コア、マルチスレッドテクノロジーには対応していません。動作クロックを2.9GHz(定格)で固定し、省電力設定およびTurbo BoostはBIOSで無効化、動作クロックがテスト中に変動しないようにしています。 |
コーデック名 | バージョン | 32bit | 64bit | 設定 |
AMV2MT | 2.20i | ○ | × | Y2標準可逆 |
AMV3 | 3.00i | ○ | × | - |
Ut Video Codec Suite (ULY2) | 11.1.1 | ○ | ○ | デコード速度優先 圧縮率優先 |
Huffyuv | 2.1.1 | ○ | × | Predict median(best) Predict Left(fastest) |
Lagarith Lossless Video Codec | 1.3.27 | ○ | ○ | Mode:YUY2 |
【結果1】
YUY2可逆圧縮に対応した各コーデックの結果です。
表1は全て1スレッド、1コアで処理した場合の結果です。表2は4スレッド、4コアのマルチスレッドで処理した場合の結果です。
Bit | エンコード | デコード | 圧縮比 | 備考 | |||
時間 | FPS | 時間 | FPS | ||||
AMV2MT:Y2 | 32 | 1.66 ms | 602 fps | 2.47 ms | 404 fps | 2.10 | R2と同じ |
UT Video速優 | 32 | 6.87 ms | 145 fps | 9.14 ms | 109 fps | 2.82 | デコード速度優先 |
UT Video速優 | 64 | 5.69 ms | 175 fps | 8.75 ms | 114 fps | 2.82 | デコード速度優先 |
UT Video圧優 | 32 | 7.00 ms | 142 fps | 14.46 ms | 69 fps | 3.41 | 圧縮率優先 |
UT Video圧優 | 64 | 6.03 ms | 165 fps | 14.34 ms | 69 fps | 3.41 | 圧縮率優先 |
Huffyuv圧優 | 32 | 4.95 ms | 202 fps | 34.79 ms | 28 fps | 2.69 | Predict median(best) |
Huffyuv速優 | 32 | 8.18 ms | 122 fps | 21.98 ms | 45 fps | 2.52 | Predict left(fastest) |
Lagarith | 32 | 11.17 ms | 89 fps | 17.05 ms | 58 fps | 3.81 | YUY2 |
Lagarith | 64 | 11.04 ms | 90 fps | 18.25 ms | 54 fps | 3.81 | YUY2 |
AMV2MT:Y2:PC64 | 64 | 8.24 ms | 121 fps | 10.82 ms | 92 fps | 2.10 | Proxy Codec64使用 |
※ Bitはvctest-x86でテストしたものを「32」、vctest-x64でテストしたものを「64」としています。
※ FPSは時間を元に1秒間に何フレーム処理できるかを計算で求めた値です。数値が高いほど優れています。
※ 圧縮比は未圧縮の動画に対し何分の1に圧縮できるかを示す値です。数値が大きいほど優れています。
※ AMV2MT:Y2:PC64はProxy Codec64を使い32bit用のコーデックをvctest-x64でテストした結果です。Proxy Codec64の処理が加わる分、処理時間は遅くなります。
Bit | エンコード | デコード | 圧縮比 | 備考 | |||
時間 | FPS | 時間 | FPS | ||||
AMV2MT:Y2 | 32 | 0.54 ms | 1851 fps | 0.70 ms | 1428 fps | 2.10 | R2と同じ |
UT Video速優 | 32 | 2.06 ms | 485 fps | 2.45 ms | 408 fps | 2.82 | デコード速度優先 |
UT Video速優 | 64 | 1.84 ms | 543 fps | 2.36 ms | 423 fps | 2.82 | デコード速度優先 |
UT Video圧優 | 32 | 2.06 ms | 485 fps | 3.75 ms | 266 fps | 3.41 | 圧縮率優先 |
UT Video圧優 | 64 | 1.80 ms | 555 fps | 3.74 ms | 267 fps | 3.41 | 圧縮率優先 |
Huffyuv圧優 | 32 | - | - | - | - | - | マルチスレッド非対応 |
Huffyuv速優 | 32 | - | - | - | - | - | マルチスレッド非対応 |
Lagarith | 32 | 7.10 ms | 140 fps | 12.86 ms | 77 fps | 3.81 | ※スレッド数指定できず |
Lagarith | 64 | 7.04 ms | 142 fps | 13.68 ms | 73 fps | 3.81 | ※スレッド数指定できず |
AMV2MT:Y2:PC64 | 64 | 8.94 ms | 111 fps | 10.08 ms | 99 fps | 2.10 | Proxy Codec64使用 |
【結果2】
AMVビデオコーデックにおける各圧縮レベルの結果です。
レベル | エンコード | デコード | 圧縮比 | 備考 | |||
時間 | FPS | 時間 | FPS | ||||
AMV2MT | Y1 | 0.83 ms | 1204 fps | 1.01 ms | 990 fps | 1.16 | YUY2可逆 |
Y2 | 1.66 ms | 602 fps | 2.47 ms | 404 fps | 2.10 | YUY2可逆 | |
Y3 | 2.39 ms | 418 fps | 3.34 ms | 299 fps | 2.79 | YUY2非可逆 | |
Y4 | 4.69 ms | 213 fps | 5.41 ms | 184 fps | 3.68 | YUY2非可逆 二次圧縮あり | |
AMV3 | S0 | 0.28 ms | 3571 fps | 0.27 ms | 3703 fps | 1.33 | YV12未圧縮 |
S1 | 0.58 ms | 1724 fps | 0.68 ms | 1470 fps | 1.44 | YV12可逆 | |
S2 | 1.25 ms | 800 fps | 1.75 ms | 571 fps | 2.36 | YV12可逆 | |
S3 | 1.56 ms | 641 fps | 2.40 ms | 416 fps | 3.25 | YV12非可逆 | |
S4 | 3.29 ms | 303 fps | 4.47 ms | 223 fps | 4.27 | YV12非可逆 二次圧縮あり |
※ AMV3の圧縮比はYUY2未圧縮に対する値です。
レベル | エンコード | デコード | 圧縮比 | 備考 | |||
時間 | FPS | 時間 | FPS | ||||
AMV2MT | Y1 | 0.45 ms | 2222 fps | 0.39 ms | 2564 fps | 1.16 | YUY2可逆 |
Y2 | 0.54 ms | 1851 fps | 0.70 ms | 1428 fps | 2.10 | YUY2可逆 | |
Y3 | 0.69 ms | 1449 fps | 0.94 ms | 1063 fps | 2.79 | YUY2非可逆 | |
Y4 | 3.07 ms | 325 fps | 3.21 ms | 311 fps | 3.68 | YUY2非可逆 二次圧縮あり | |
AMV3 | S0 | 0.19 ms | 5263 fps | 0.22 ms | 4545 fps | 1.33 | YV12未圧縮 |
S1 | 0.38 ms | 2631 fps | 0.33 ms | 3030 fps | 1.44 | YV12可逆 | |
S2 | 0.43 ms | 2325 fps | 0.50 ms | 2000 fps | 2.36 | YV12可逆 | |
S3 | 0.50 ms | 2000 fps | 0.70 ms | 1428 fps | 3.25 | YV12非可逆 | |
S4 | 2.11 ms | 473 fps | 2.64 ms | 378 fps | 4.27 | YV12非可逆 二次圧縮あり |
【グラフ】
表1から表4をまとめたグラフです。
【注意事項】
AMVビデオコーデックの結果は試用版(ロゴ挿入処理あり)によるものです。製品版ではロゴ挿入処理がなくなる分ほんの僅か(約0.02ms)早くなります。
AMVビデオコーデックの可逆圧縮に付いて、試用版ではロゴが入る関係でVC Testのロスレスチェックが通りません。ロゴが入らない製品版ではロスレスチェックはOKとなります。
ビデオコーデック・ベンチマーク2012夏
基本的には「ビデオコーデック・ベンチマーク2009」と同じですがWindows7 x64での動作になります。
2012.9.5追記 この記事の公開当初2009年と同じ動画としていましたが、AviUtlを使ってWMV形式からAVI未圧縮のファイルへ変換する部分をミスり完全に同じ動画ファイルとはなっていませんでした。2009年と完全に同じ動画ファイルを使った再テストを行いましたのでそちらを見てください。 「ビデオコーデック・ベンチマーク2012夏(2012.9.4修正版)」 |
【測定条件】
ベンチマークはHD(1280*720)のビデオキャプチャ(実写)を想定しています。動画ソースはマイクロソフトのサイトからダウンロードしたWMV形式のファイルをAviUtlを使ってYUY2未圧縮に変換したものを使います。 (
測定はUt Videoの作者が公開しているVC Test(2010年10月24日版)を使ってエンコード時間(圧縮にかかった時間)、デコード時間(復元にかかった時間)、圧縮比(未圧縮ファイルの何分の1に縮まったか)を測定します。
タイトル | Mystery of the Nile |
情報 | 1280*720、2082frames、1分26秒、3,837,598,360Byte |
備考 | AviUtlを使ってYUY2未圧縮に変換 |
OS | Windows7 x64 Professional SP1 |
CPU | Intel(R) Core(TM) i5-3470S CPU @ 2.90GHz Ivy Bridge |
MB | ASRock H77 Pro4-M (Intel H77) |
Memory | DDR3 1600 8GB(4GBx2 Dual Cannel)read=23.7GB/s write=12.2GB/s |
Software | VC Test(2010年10月24日版) |
備考 | CPUは4コア、マルチスレッドテクノロジーには対応していません。動作クロックを2.9GHz(定格)で固定し、省電力設定およびTurbo BoostはBIOSで無効化、動作クロックがテスト中に変動しないようにしています。 |
コーデック名 | バージョン | 32bit | 64bit | 設定 |
AMV2MT | 2.20i | ○ | × | Y2標準可逆 |
AMV3 | 3.00i | ○ | × | - |
Ut Video Codec Suite (ULY2) | 11.1.1 | ○ | ○ | デコード速度優先 圧縮率優先 |
Huffyuv | 2.1.1 | ○ | × | Predict median(best) Predict Left(fastest) |
Lagarith Lossless Video Codec | 1.3.27 | ○ | ○ | Mode:YUY2 |
【結果1】
YUY2可逆圧縮に対応した各コーデックの結果です。
表1は全て1スレッド、1コアで処理した場合の結果です。表2は4スレッド、4コアのマルチスレッドで処理した場合の結果です。
Bit | エンコード | デコード | 圧縮比 | 備考 | |||
時間 | FPS | 時間 | FPS | ||||
AMV2MT:Y2 | 32 | 1.63 ms | 613 fps | 2.48 ms | 403 fps | 2.10 | R2と同じ |
UT Video速優 | 32 | 6.86 ms | 145 fps | 9.16 ms | 109 fps | 2.79 | デコード速度優先 |
UT Video速優 | 64 | 5.64 ms | 177 fps | 8.75 ms | 114 fps | 2.79 | デコード速度優先 |
UT Video圧優 | 32 | 7.10 ms | 140 fps | 14.44 ms | 69 fps | 3.41 | 圧縮率優先 |
UT Video圧優 | 64 | 6.21 ms | 161 fps | 14.29 ms | 69 fps | 3.41 | 圧縮率優先 |
Huffyuv圧優 | 32 | 4.99 ms | 200 fps | 34.81 ms | 28 fps | 2.65 | Predict median(best) |
Huffyuv速優 | 32 | 8.21 ms | 121 fps | 22.00 ms | 45 fps | 2.50 | Predict left(fastest) |
Lagarith | 32 | 10.56 ms | 94 fps | 16.21 ms | 61 fps | 4.00 | YUY2 |
Lagarith | 64 | 10.43 ms | 95 fps | 17.30 ms | 57 fps | 4.00 | YUY2 |
AMV2MT:Y2:PC64 | 64 | 8.20 ms | 121 fps | 10.82 ms | 92 fps | 2.10 | Proxy Codec64使用 |
※ FPSは時間を元に1秒間に何フレーム処理できるかを計算で求めた値です。数値が高いほど優れています。
※ 圧縮比は未圧縮の動画に対し何分の1に圧縮できるかを示す値です。数値が大きいほど優れています。
※ AMV2MT:Y2:PC64はProxy Codec64を使い32bit用のコーデックをvctest-x64でテストした結果です。Proxy Codec64の処理が加わる分、処理時間は遅くなります。
Bit | エンコード | デコード | 圧縮比 | 備考 | |||
時間 | FPS | 時間 | FPS | ||||
AMV2MT:Y2 | 32 | 0.54 ms | 1851 fps | 0.71 ms | 1408 fps | 2.10 | R2と同じ |
UT Video速優 | 32 | 2.07 ms | 483 fps | 2.45 ms | 408 fps | 2.79 | デコード速度優先 |
UT Video速優 | 64 | 1.80 ms | 555 fps | 2.37 ms | 421 fps | 2.79 | デコード速度優先 |
UT Video圧優 | 32 | 2.06 ms | 485 fps | 3.78 ms | 264 fps | 3.40 | 圧縮率優先 |
UT Video圧優 | 64 | 1.81 ms | 552 fps | 3.74 ms | 267 fps | 3.40 | 圧縮率優先 |
Huffyuv圧優 | 32 | - | - | - | - | - | マルチスレッド非対応 |
Huffyuv速優 | 32 | - | - | - | - | - | マルチスレッド非対応 |
Lagarith | 32 | 7.11 ms | 140 fps | 12.89 ms | 77 fps | 4.00 | ※スレッド数指定できず |
Lagarith | 64 | 7.05 ms | 141 fps | 13.70 ms | 72 fps | 4.00 | ※スレッド数指定できず |
AMV2MT:Y2:PC64 | 64 | 8.85 ms | 112 fps | 10.09 ms | 99 fps | 2.10 | Proxy Codec64使用 |
【結果2】
AMVビデオコーデックにおける各圧縮レベルの結果です。
レベル | エンコード | デコード | 圧縮比 | 備考 | |||
時間 | FPS | 時間 | FPS | ||||
AMV2MT | Y1 | 0.83 ms | 1204 fps | 1.03 ms | 970 fps | 1.16 | YUY2可逆 |
Y2 | 1.63 ms | 613 fps | 2.48 ms | 403 fps | 2.10 | YUY2可逆 | |
Y3 | 2.36 ms | 423 fps | 3.36 ms | 297 fps | 2.80 | YUY2非可逆 | |
Y4 | 4.69 ms | 213 fps | 5.42 ms | 184 fps | 3.69 | YUY2非可逆 二次圧縮あり | |
AMV3 | S0 | 0.27 ms | 3703 fps | 0.27 ms | 3703 fps | 1.33 | YV12未圧縮 |
S1 | 0.58 ms | 1724 fps | 0.67 ms | 1492 fps | 1.43 | YV12可逆 | |
S2 | 1.24 ms | 806 fps | 1.75 ms | 571 fps | 2.34 | YV12可逆 | |
S3 | 1.56 ms | 641 fps | 2.40 ms | 416 fps | 3.22 | YV12非可逆 | |
S4 | 3.29 ms | 303 fps | 4.52 ms | 221 fps | 4.22 | YV12非可逆 二次圧縮あり |
レベル | エンコード | デコード | 圧縮比 | 備考 | |||
時間 | FPS | 時間 | FPS | ||||
AMV2MT | Y1 | 0.45 ms | 2222 fps | 0.39 ms | 2564 fps | 1.16 | YUY2可逆 |
Y2 | 0.54 ms | 1851 fps | 0.71 ms | 1408 fps | 2.10 | YUY2可逆 | |
Y3 | 0.72 ms | 1388 fps | 0.95 ms | 1052 fps | 2.80 | YUY2非可逆 | |
Y4 | 3.06 ms | 326 fps | 3.23 ms | 309 fps | 3.69 | YUY2非可逆 二次圧縮あり | |
AMV3 | S0 | 0.18 ms | 5555 fps | 0.22 ms | 4545 fps | 1.33 | YV12未圧縮 |
S1 | 0.38 ms | 2631 fps | 0.33 ms | 3030 fps | 1.43 | YV12可逆 | |
S2 | 0.43 ms | 2325 fps | 0.51 ms | 1960 fps | 2.33 | YV12可逆 | |
S3 | 0.49 ms | 2040 fps | 0.71 ms | 1408 fps | 3.21 | YV12非可逆 | |
S4 | 2.06 ms | 485 fps | 2.67 ms | 374 fps | 4.22 | YV12非可逆 二次圧縮あり |
【グラフ】
表1から表4をまとめたグラフです。

【注意事項】
AMVビデオコーデックの結果は試用版(ロゴ挿入処理あり)によるものです。製品版ではロゴ挿入処理がなくなる分ほんの僅か(約0.02ms)早くなります。
AMVビデオコーデックの可逆圧縮に付いて、試用版ではロゴが入る関係でVC Testのロスレスチェックが通りません。ロゴが入らない製品版ではロスレスチェックはOKとなります。
Atom330でHDキャプチャ その5
今回はAtom330でAMVビデオコーデックのベンチマークテストを行いました。1280*720のYUY2画像を入力しYUY2のまま可逆圧縮した場合にAtomのマルチコアやハイパースレッドテクノロジ(HTT)の効果を調べます。
基本的な測定方法は以前に行ったコーデックのベンチマークテストと同じです。
YUY2の動画をYUY2のまま可逆圧縮
Intel Atom330
動きの激しい動画(YUY2)
コーデック | Enc (ms) | Dec (ms) | 圧縮 率(%) | 補足 |
AMV2MT:R2(1) | 10.90 | 8.75 | 47.7 | CPUは指定せず1スレッドで処理。 |
AMV2MT:R2(2) | 6.74 | 5.06 | 47.7 | 〃 2スレッドで処理。 最も万能で使いやすい設定。 |
AMV2MT:R2(3) | 8.73 | 6.06 | 47.7 | 〃 3スレッドで処理。 HTTの効果を期待してスレッド数を増やしても CPUを指定しないとパフォーマンスは低下する。 |
AMV2MT:R2(4) | 6.89 | 5.04 | 47.7 | 〃 4スレッドで処理。 |
AMV2MT:R2(CPU0+CPU1) | 6.77 | 5.04 | 47.7 | カスタム設定にしてCPU0とCPU1を使って処理。 CPUを指定せず2スレッドで処理する場合と同じ結果。 |
AMV2MT:R2(CPU0+CPU2) | 6.75 | 5.04 | 47.7 | カスタム設定にしてCPU0とCPU2を使って処理。 |
AMV2MT:R2(CPU0+1+2+3) | 5.91 | 4.72 | 47.7 | カスタム設定にしてCPU0~3のそれぞれを使って処理。 CPUを指定する事でHTTの効果を 少しだけ得られる。 |
※Enc:エンコード時間、圧縮処理にかかった時間を示す。
※Dec:デコード時間、復元処理にかかった時間を示す。
※圧縮率:未圧縮の何パーセントに縮まったかを示す。
以前に行ったIntel Celeron420の結果
コーデック | Enc (ms) | Dec (ms) | 圧縮 率(%) | 補足 |
AMV2MT:R2(1) | 5.31 | 5.89 | 47.7 | CPUは指定せず1スレッドで処理。 |
Atom330とCeleron420を比較すると、Atom330の方がコア数やHTTにより有利になると思っていましたが、結果はCeleron420の方が1コア1スレッドでも高速な結果となりました。
なお、AMVビデオコーデックはハイパースレッドテクノロジを想定して設計されていないため、HTTの効果は殆ど得られないことも解りました。
付録測定条件
タイトル | Mystery of the Nile |
情報 | 1280*720、2082frames、1分26秒、3,837,598,360Byte |
備考 | AviUtlを使ってYUY2未圧縮に変換 |
PC1 Celeron | PC2 Atom | |
CPU | Intel Celeron 420 (Conroe-L) 1.6GHz Socket 775LGA | Intel Atom330 (2core,HTT) 1.6GHz |
Chipset | i945G/GZ | Intel 945GC + ICH7 |
Memory | DDR2-800, 1GB (single) read=3.3GB/s write=1.2GB/s | DDR2-533, 2GB(single) |
OS | Windows2000 Pro SP4 | Windows7 x86 Ultimate |
補足 | デスクトップPC | ミニキューブ |