メディアプレイヤークラシック(MPC)でYUY2の動画が再生できない
同じ条件でもAMV2MTやAMV3では再生できるのにAMV4だと再生できません。
これには3つの要因が関係します
(1) MPCなどのメディアプレイヤーは画像サイズに制限があり、RGBは制限が緩いのに対し、YUY2では制限がきつい(特定の画像サイズしか扱えない?)
(2) AMV2MT/AMV3はYUY2の動画をRGBへ変換してMPCへ渡せるのに対し、AMV4はYUY2の動画はYUY2でしかMPCへ渡さないようになっている。
(3) MPCはYUY2の動画をRGBへ変換してくれない(WMPなどはYUY2の動画をRGBへ変換してくれる)。
このような事情からAMV4とMPCの組み合わでYUY2の動画を扱うと特定の画像サイズしか再生できない見たいです。
平たく言うと、対応できない画像サイズのYUY2動画はRGBへ変換して再生するけど、AMV4もMPCもRGBへ変換してくれないから再生できない。
と言った感じです。
具体例をあげると
1280x720 YUY2と言った一般的なフォーマットであればAMV4+MPCでも再生できますが、
1264x720 YUY2のように横サイズが16少ない画像サイズになると再生できません。
同じ画像サイズであってもRGB(1264x720 RGB32)であればAMV4+MPCで再生可能です。
ではどうするか?
手っ取り早い解決策はAMV4の方でRGBへ変換してあげればいい(変換する機能自体は実装済み)のですが、
画質面で不利になる可能性があるのでYUVの動画はYUVでのみ出力したいところです。
そこでAMV4デコーダーフィルターとなります。
コーデックの規格であるVCMにはおそらく画像サイズと言う概念しかないのでこのようなケースではどうにもならないのですが、Direct Show Filter(デコーダーフィルター)なら画像サイズとは別に表示エリアの概念があるため、YUY2における画像サイズの制限をなんとかできるかもしれません。
例えば、上記の1264x720の例であれば、画像サイズ(全体の大きさ)を1280x720とし、
表示エリアを1264x720とすることでYUY2のまま再生可能になるのではないかと思います。
もしくは、1264x720 YUY2のままネゴシエートできるかもしれません。
と言うことで、近々AMV4 Direct Show Decoder Filterを作って試してみようと思います。
GraphEditでみる1264x720 YUY2の再生グラフ
GraphEditで1264x720 YUY2の動画がどのように再生されるかを試したのが下図です。

1つ目のAVI DecompressorがAMV4ビデオコーデックを使ってYUY2形式でデコードして
2つ目のAVI Decompressor 0001がYUY2をRGB32へ変換しています。
カラースペースコンバーターは何だろう・・・1ラインのバイト数をレンダラーの仕様と合うよう調整しているのかな
このようにWindows Media Playerなどはプレイヤー側(Direct Show Graphのインテリジェンス機能)の働きによりRGBへ変換して再生できます。ただし、明らかに無駄な処理が含まれているのも解りますね。
理想は、一つ目のAVI Decompressorと同じ働きを持つAMV4デコーダーフィルタを用意して、ビデオレンダラーと直結することです。RGB変換やカラースペースコンバーターは排除したいところですね。