スーパーアマレココ vs ShadowPlay 第2Round
アマレココ4 その11 vs ShadowPlay
の続編となります。
スーパーアマレココのバージョンが4.20になったことと、テストに使うPCが最新の環境に変わっています。
1.テスト方法、テスト環境
デスクトップをFHD (1920x1080)、59.94Hzに設定し、FF14ベンチをウインドウモード、HDサイズ(1280x720)、DirectX11、高品質(ノートPC)で実行。録画しない場合と、各キャプチャソフトでデスクトップ全体を録画した場合のベンチマークスコアで評価します。
・スーパーアマレココ Ver4.20 録画設定
デスクトップ全体1920x1080を59.94fps、YUV 12bitでキャプチャ、AMV4:DS3で圧縮、テクスチャをリングバッファにするON
・スーパーアマレココ Ver4.11 録画設定
デスクトップ全体1920x1080を59.94fps、YUV 16bitでキャプチャ、AMV4:DY3で圧縮、テクスチャをリングバッファにするOFF(設定項目なし)
・ShadowPlay録画設定
プライバシー管理で「はい」を選択し、デスクトップ全体1920x1080を59.94fps、50Mbpsで録画します。カラーフォーマットはYUV 12bitと思われます。
(アマレココ4 その11 vs ShadowPlay のShadowPlayデスクトップキャプチャと同じ)
OS | Microsoft Windows 10 Home 64-bit |
CPU | Intel(R) Core(TM) i7-7700K Kabylake 定格4.20GHz |
MB | ASUS PRIME Z270-K |
Memory | DDR4 16GB (8GB x 2 Dual channel) 2666MHz |
Video | NVIDIA GeForce GTX 1080 8GB |
Monitor | 1920x1080 59.94 HDMI 接続 |
録画HDD | ST4000DM000 4TB |
Software | SUPER AmaRecCo Ver4.11 SUPER AmaRecCo Ver4.20 AMV4ビデオコーデック Ver4.10 ShadowPlay GeForce Experience Ver3.5.0.70 Driver 381.65 ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク |
備考 | CPUは4コア、8スレッド、HTT対応、AVX2対応。動作クロックを4.2GHz(定格)で固定し、省電力設定およびTurbo BoostはBIOSで無効化、動作クロックがテスト中に変動しないようにしています。 |
2.テスト結果
録画 | カラーフォーマット | ベンチスコア (5回の平均値) | スコア 低下率 |
録画無し | - | 26224 | -0.0% |
ShadowPlay | YUV 12bit | 25689 | -2.1% |
スーパーアマレココ Ver4.20 | YUV 12bit | 25626 | -2.3% |
スーパーアマレココ Ver4.11 | YUV 16bit | 25254 | -3.7% |
録画 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均値 | |
録画無し | ![]() | 26224 | - | - | - | - | 26224 |
ShadowPlay デスクトップキャプチャ | ![]() | 25697 | 25672 | 25774 | 25661 | 25643 | 25689 |
アマレココ Ver4.20 | ![]() | 25695 | 25379 | 25627 | 25681 | 25751 | 25626 |
アマレココ Ver4.11 | ![]() | 25338 | 25257 | 25451 | 24942 | 25284 | 25254 |
3.まとめ
スーパーアマレココ Ver4.20の2回目で低いスコアがあるため 平均値でShadowPlayの方が良い結果となりましたが、2回目のスコアを除外したスーパーアマレココVer4.20の平均スコアは25688となりShadowPlayと同等となります。
テストは沢山行っていますが、平均値の取り方、データの拾い方次第で優劣が変わるレベルですので、この条件で比較する限りはShadowPlayとスーパーアマレココ Ver4.20は同性能と言えます。
最後にYUV16bit (AMV4:DY3)とYUV 12bit(AMV4:DS3)のファイルサイズを比較します。
録画 | コーデック | フレーム数 | ファイルサイズ | ビットレート |
ShadowPlay | H264 YUV 12bit 非可逆 | 32950 | 2,895 MB | 約 42 Mbps |
スーパーアマレココ Ver4.20 | AMV4:DS3 YUV 12bit 可逆 | 30000 | 16,955 MB | 約 271 Mbps |
スーパーアマレココ Ver4.11 | AMV4:DY3 YUV 16bit 可逆 | 30000 | 21,644 MB | 約 346 Mbps |
AMV4:DY3に対しAMV4:DS3は約21%ファイルサイズが小さくなり、AMV4ビデオコーデック Ver4.10の効果が得られていることが分かります。
アマレココ4 その11 vs ShadowPlay

1.ShadowPlay
ShadowPlayを使うためのGeForce Experience。シェアの項目をONにすると録画関連の機能を使えるようになります。
ShadowPlayのテストをするときはシェア機能をON、アマレココのテストをするときはシェア機能をOFFとしています。

デスクトップ全体を録画する場合はシェア機能の基本設定のプライバシー管理で「はい」を選択します。
この記事ではこれを「ShadowPlayデスクトップキャプチャ」と表記します。
また、「いいえ」とした場合はゲーム画面だけを録画でき、この記事では「ShadowPlayゲームキャプチャ」と表記します。

録画設定で解像度とフレームレート、ビットレートを設定できます。フレームレートを60FPSとしても、モニターのリフレッシュレートが59.94Hzであれば59.94FPSの動画ファイルとなるようです。

59.94HzのモニターでShadowPlayを使って録画したビデオファイルをAviUtl + L-SMASH Works File Readerで読み込んだ際のプロパティ。
今回のテストは59.94Hzのモニターなのでこれでちゃんと録画できていると思います。

今回のテストではインスタントリプレイを無効にし、ShadowPlayの録画は全てホットキーによる手動操作で行っています。

2.テスト方法、テスト環境
デスクトップ(1920x1080)にFF14ベンチをウインドウモード、HDサイズ(1280x720)、DirectX11、高品質(ノートPC)で実行して録画していない場合と、各キャプチャソフトで録画した場合のベンチマークスコアで評価します。
録画はデスクトップ全体(1920x720 59.94fps)とゲーム画面だけ(1280x720 59.94fps)の2種類で行います。
また、今回のベンチマークスコアには最大で5%程度の開きが観られたため、複数回テストを行い平均値で評価します。
同様のテストをされる場合は一発テストだとたまたま高いスコアだったり、たまたま低いスコアとなった場合、今回のように微差だと優劣が変わってきてしまう可能性があるので注意した方が良いかもしれません。
OS | Windows8.1 x64 Professional |
CPU | Intel(R) Core(TM) i7-4770 CPU @ 3.40GHz Haswell |
MB | ASRock H87 Performance (Intel H87) |
Memory | DDR3 1600 16GB(8GBx2 Dual Cannel) |
Video | NVIDIA GeForce GTX 1080 8GB NVIDIA GeForce GTX 650 1GB |
Monitor | 1920x1080 94.94 HDMI |
録画HDD | WD30EZRX 3TB |
Software | AmaRecCo Ver4.10 ベータ2 ShadowPlay GeForce Experience Ver3.1.0.52 Driver 375.63 ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク くるくるベンチDX11 Ver1.00 |
備考 | CPUは4コア、8スレッド、HTT対応、AVX2対応。動作クロックを3.4GHz(定格)で固定し、省電力設定およびTurbo BoostはBIOSで無効化、動作クロックがテスト中に変動しないようにしています。 |
3.テスト結果
録画 画像サイズ | ベンチスコア (平均値) | スコア低下率 | |
録画なし | - | 18612 | -0.0% |
ShadowPlay デスクトップキャプチャ | 1920x1080 59.94fps | 17925 | -3.6% |
ShadowPlay ゲームキャプチャ | 1280x720 59.94fps | 17589 | -5.4% |
アマレココ デスクトップ全体 | 1920x1080 59.94fps | 17744 | -4.6% |
アマレココ ゲームウインドウを範囲指定 | 1280x720 59.94fps | 17953 | -3.5% |
※ ShadowPlayのデスクトップキャプチャの3回目で17194を記録しましたが、明らかに低い数値なので平均値の算出から除外しました。これを平均値に加味するとアマレココより平均スコアが悪くなってしまいます。
デスクトップ全体(1920x1080)を録画する場合はShadowPlayが有利。
ゲーム画面だけ(1280x720)を録画する場合は意外にもアマレココが有利な結果となりました。
これは、アマレココは画像サイズに比例してスコアが上下するのに対し、ShadowPlayの場合はキャプチャ方式(プライバシー管理の「はい」、「いいえ」)によりスコアが変わってくるようで、デスクトップ全体を録画するよりゲーム画面だけを録画する方がスコアが低下しています。
これにより、基本的にはShadowPlayの方が有利(※)ですが、デスクトップ上のゲーム画面だけを録画するような使い方だと逆転しています。
推測になりますが、アマレココ、およびShadowPlayのデスクトップキャプチャモードはDWM(Desktop Window Manager)がレンダリングする秒間60フレームだけを処理するのに対し、ShadowPlayのゲームキャプチャモードはゲームプログラムが秒間100フレームレンダリングしたら100フレーム、ゲーム側が200フレームレンダリングしたら200フレーム分 ShadowPlayが何かしらのGPU処理を行っていて、その分スコアが低下しているのではないかと思われます。
(ShadowPlayのゲームキャプチャモードはゲーム側のFPSが高くなるとスコア面で不利になってくるかもしれない)。
※ ShadowPlayのデスクトップキャプチャに録画範囲を指定する機能があればアマレココより有利にゲーム画面だけを録画できるはずです。
4.GPUの性能が低い場合(GTX650)について
GPUの性能が低いとFF14ベンチを実行しただけでGPUクロックが最大になりGPU使用率も99%となるため、スコアは、ほぼキャプチャソフトのGPU使用率で決まってきます。
ビデオコーデックなどCPUでどんなに重たい処理をしたとしても、GPUをできるだけ使わないように設計されたキャプチャソフトが有利で、逆に、ShadowPlayの様にCPUでほとんど処理をせず、GPUで大半の処理を行うタイプはあからさまに不利となるようです。
GPUクロック | GPU使用率 | スクリーンショット | |
ShadowPlay デスクトップキャプチャ | 1058 MHz | 24% | ![]() |
アマレココ デスクトップ全体 | 540 MHz | 35% | ![]() |
録画 画像サイズ | ベンチ スコア | スコア 低下率 | スクリーンショット | |
録画無し | - | 6311 | -0.0% | ![]() |
ShadowPlay デスクトップキャプチャ | 1920x1080 59.94fps | 5135 | -18.6% | ![]() |
アマレココ デスクトップ全体 | 1920x1080 59.94fps | 5955 | -5.6% | ![]() |
GTX650だとShadowPlayの性能面での優位性は見て取れませんでした。
アマレココというより、有名どころのキャプチャソフトであればShadowPlayより明らかに高いスコアとなるのではないでしょうか。
5.まとめ
・ShadowPlayのデスクトップキャプチャモードのスコアは同条件(同じ画像サイズ)であればアマレココより有利。
・ShadowPlayのゲームキャプチャモードはゲームのfpsが60fpsより高くなると、スコア面でアマレココより不利になる可能性がある。
・アマレココのスコアは録画範囲(画像サイズ)に比例する。画像サイズが小さくなるとShadowPlayでデスクトップ全体を録画したり、ShadowPlayのゲームキャプチャモードで録画するよりアマレココのほうが有利。
・GPUの性能が悪く(例GTX650)ゲーム処理のボトルネックがGPUとなる場合、ShadowPlayの性能面での優位性は皆無となる。
・GPUの性能が悪い場合は、アマレココに限らず大抵のキャプチャソフトがShadowPlayより良いスコアになると思われる。