UtVideo T2 フレーム間圧縮対応 AMV4と同等の性能に
また、ベンチマークテストも公開されています。
[UtVideo] バージョン 20.0.0
映像可逆圧縮コーデックベンチマーク 2018-06
私の方でYUY2のフレーム間圧縮に絞って簡単なテストを行った結果は以下の通りです。
テスト内容は「UtVideo T2が公開」と同じです。
圧縮モード | サンプル1 圧縮しにくい | サンプル2 圧縮しやすい | |
UtVideo T2 Ver 20.0.0 | UMH2 フレーム間圧縮 K30 | 3.18 | 5.21 |
AMV4 Ver4.10 | DY3 | 3.09 | 4.95 |
性能差 | 3% | 5% |
動きが少なく圧縮しやすい映像サンプルにてAMV4より5% UtVideo T2(UMH2)フレーム間圧縮の方が良い結果となっています。
また、動きの激しい(圧縮しにくい)サンプルにおいてもUtVideo T2フレーム間圧縮の方が3%良い結果となっていることから、圧縮効果に関してはAMV4(DY3)よりUtVideo T2(UMH2)のフレーム間圧縮モードの方が優れていると言えます。
一方、処理速度については梅澤さんのベンチマーク結果を見る限り、AMV4(DY3)の方がエンコードで15%から20%程度有利、デコードは同等と言ったところでしょうか。
ということで、AMV4(DY3)とUtVideo T2(UMH2)のフレーム間圧縮はそれぞれ「わずかな差で一長一短の関係」となり、もはやAMV4の独壇場とは言えなくなりました。
びっくりぽん!!!
UtVideo T2が公開
或るプログラマの一生 [UtVideo] バージョン 19.0.1
今までのUtVideoはハフマン圧縮をメインとしていて昨今のCPUではあまり効率よく処理できず、処理速度的には頭打ち状態でしたが、UtVideo T2ではハフマン圧縮から離れSIMD処理を軸とした仕組みへと転換した模様。
これにより大幅な高速化を達成できたとのことなので、簡単に試してみました。
■処理速度について
YUY2(YUV4:2:2)をHaswell(AVX2)で処理した場合の評価です。
エンコードはAMV4:DY3が約1割早い
デコードはUtVideo T2が約1割早い
これくらいの差になると調整の範疇(圧縮効果と処理速度のトレードオフなど)と思われるのでAMV4と同等の高速処理を達成できたとみていいかと思います。
いずれもシングルスレッドで4K(YUY2)を60fps以上処理する能力があるため処理速度の面では十分な性能です。
■圧縮効果について
無圧縮の画像に対し何分の1に圧縮できるか(ファイルサイズをどこまで小さくできるか)の評価です。
サンプル1:比較的画質が悪かったり、大きく動く映像であるため、どのコーデックにおいても圧縮しにくいサンプル。
Mystery of the Nile
Youtube
サンプル2:画質が良く、動きが少ないため圧縮しやすいサンプル。
The Discoverers (IMAX)
Youtube
圧縮モード | サンプル1 圧縮しにくい | サンプル2 圧縮しやすい | |
UtVideo T2 Ver19.0.1 | UMY2 | 3.12 | 4.10 |
AMV4 Ver4.10 | DY3 | 3.09 | 4.95 |
圧縮しにくいサンプル1ではUtVideo T2:UMY2がわずかに良い
圧縮しやすいサンプル2ではAMV4:DY3が大幅に良い
■まとめ
圧縮しにくい映像サンプルではAMV4:DY3とUtVideo T2の性能は処理速度、圧縮効果ともにほぼ同等なので驚いた。
一方、圧縮しやすい映像サンプルではAMV4:DY3がまだまだ有利なので安堵した。
AMV4ではフレーム間圧縮や二次圧縮と言った圧縮効果を高めるための仕組みが既に含まれていますので、その差がまだまだあると感じました。UtVideo T2もこれから圧縮効果を高める仕組みに取り組んでいくかと思うので、圧縮効果をどこまで高めることができるか、また、圧縮効果を高めた時に処理速度を維持できるかと言ったところがポイントになっていくと思います。