Intensity Pro 4K その2 RGBキャプチャできた そしてPS4も
参考動画「BMD Intensity Pro 4k and Me 」 YouTube
PS4をMedeia Expressでキャプチャしています。
前回の記事でRGBでのキャプチャができないと書いてしまいましたが、アマレコTVなどDirect Showを利用したキャプチャソフトでは無理なだけで、製品同梱のMedia Expressでは「Capture File Format」の項目から「AVI 10bit RGB」を選択することでRGBキャプチャ可能です。
以下は別PCのHDMI出力をRGBでキャプチャした様子です。

Media ExpressのプレビューではRGBでキャプチャできているかどうか良く判らないので、Media Expressで録画したAVIファイルをAviUtlにて読み込んで確認します。
AviUtlで確認

表示している画像は以前の記事で使ったテストパンターンで、YUY2でキャプチャした場合は上か下のどちらかのパターンの色が変色しますが、今回RGBでキャプチャした映像は上下とも変色していないことが判ります。このことから少なくともYUY2ではなくYUV4:4:4またはRGBでキャプチャできていると判ります。
ちなみに以前のテストの結果ですがYUY2でキャプチャすると次のようになります(下のパターンが暗くなっている)。

続いてPS4のキャプチャです。

こちらも前回の記事ではキャプチャできないと書きましたが、Media ExpressをRGBに設定することでキャプチャ可能でした。ただし、PS4の設定が1080pの場合キャプチャできないようです。
そこで、PS4の設定を720pにしてMedia Expressも「HD 720p 59.94」としたところ、キャプチャできるようになりました。
今のところ私が試した限りではPS4をフルHD 1080pでキャプチャすることはできませんでした。参考動画では1080pでキャプチャできているので、まだ何か私の方で見落としている部分がありそうです。
また、参考動画の中でOBSやアマレコTVが使えないとなっていますが、これはPS4とIntensity Pro 4KのリンクがRGBで行われているためDirect Show系のキャプチャソフト(IntensityのDirect ShowビデオソースフィルタがRGBに対応していないと思われる)ではPS4をキャプチャすることができません。IntensityのビデオソースフィルタがRGBに対応するか、PS4のビデオ出力をYUVに設定できないと無理と思われます。
今回の記事は以上となります、前回の記事から大分進展することができました、コメント欄で教えてくださった方に感謝します。また、何かありましたら教えていただけると助かります。
今回判ったこと
・HDMIのビデオ信号にRGBとYUVがある
・映像ソースとIntensity Pro 4KがRGBでリンクした場合、YUV系(YUY2、HDYC、UYVY)でのキャプチャはできない
・Intensity Pro 4KのDirect ShowビデオソースフィルタはRGBに対応していないが、Intensity Rro 4K自体はRGBキャプチャに対応している
・同梱のMedia ExpressではRGBキャプチャ可能
不明点
・参考動画ではPS4を1080pでキャプチャできている。私はできていない
・PS4とIntensity Pro 4Kのリンクが常にRGBとなってしまう?YUVでリンクできないか?PS4の方でRGBを使わない設定などないか
・PS4をIntensity Pro 4Kへ接続した場合、アマレコTVなどのDirect Show系のキャプチャソフトで使えない
Intensity Pro 4Kを使って4Kキャプチャしてみた

主な特徴
1) フルHD(1080 60p)およびウルトラHD(2160 30p)対応
2) フルHD対応にしては低価格(2万7千円ほど)
3) HDMIビデオサンプリング RGB 4:4:4(HD)、YUV 4:2:2(Ultra HD)
4) 本格的な編集ソフトDaVinci Resolve Lite同梱
内容物

ドライバと編集ソフトが収録されたSDカードが同梱されています。そのほかは従来品のIntensity Proと同じような印象です。キャプチャカード本体には小さいファンが付いているので少しうるさいです。
インストール
ドライバーをインストールしようとすると以下のエラーメッセージが表示されてインストールできません。

従来品のIntensity Proなどが既にインストールされている場合は、それらのドライバーおよびアプリケーションをアンインストールする必要があるようです。

私は、従来品のドライバーをアンインストールすることで、無事、新ドライバーをインストールできました。
新しいドライバーは従来品のIntensity Proにも対応しているのでこれで問題なしと言いたいところですが、扱えるビデオ信号が微妙に異なるようで、今までIntensity Proでキャプチャできていたビデオソースが新ドライバー+従来のIntensity Proで扱えないケースがありました。なので完全に上位互換とは言えないようです。結局、古いドライバーも大切にとっておく必要があります。
アマレコTVのデバイス画面

「Blackmagic WDM Capture」と「Decklink Video Capture」の2つが追加されますが、「Decklink Video Capture」を選択するのが正解のようです。
フォーマット欄には一番の売りである「3840 x 2160 30fps」があります。fccの「v210」は良く解りません。HD以上は「HDYC」を、HD未満は「UYVY」を選択します。
2015.3.14追記:RGBキャプチャできました。詳しくは「Intesity Pro 4K その2 RGBキャプチャできた そしてPS4も」
キャプチャテスト
PS4や別PCをHDMIケーブルで接続してキャプチャテストしようとしましたが、全く映りません。
キャプチャカード同梱の「Media Express」でもダメなので初期不良も疑いましたが、HDMIを諦めてコンポーネントケーブルでPS2を接続すると あっさり映りました。

正直、心が折れそうになっていたのでこれが映った時はうれしかったです。とりあえず初期不良はなさそうなので、再びHDMIでいろいろ試した結果、1台だけ映るPCがありました。
Intensity Pro 4Kを積んだ方のPCではなく、映像ソースとなるPCやPS4の方に何かあるようで、ドライバーのところでちょっと触れましたが、従来のIntensity Proでキャプチャできていた映像ソースがことごとくNGとなっています。
古いドライバー(
なお、唯一成功したのはGYGABYTEのZ97X-GAMING3+Core i7 4790KのPCのオンボードHDMI出力でした。このビデオ信号だけ難なくキャプチャできます。
Intensity Pro 4Kを購入した皆さんはすんなりキャプチャできているのかな?とても気になるところです。
2015.3.14追記:ビデオ信号がRGBだとDirect Show系のキャプチャソフトは使えないようです。詳しくは「Intesity Pro 4K その2 RGBキャプチャできた そしてPS4も」
フルHD(1080 60p)キャプチャ

オンボードのHDMI出力を同PCに増設したIntensity Pro 4Kへ接続してキャプチャしています。(1PCでのテストとなっています)
PCのHDMI出力の解像度を1920x1080にして、さらに詳細設定でリフレッシュレートを59.94に設定します。
Intensity Pro 4Kは解像度とリフレッシュレートがアマレコTVのフォーマットと完全に一致していないと映らないようです。
フルHDでのキャプチャはすでにマイコンソフトのSC512やXCapture1でやっているので特筆すべきところはありませんが、設定面でマイコンソフト系は間違った設定でも何かしら映像が映るのに対し、Intensity系はそうはいきません。
ミスしてても映ってしまうとそれを正常と認識する人もいるので、結局一長一短ではありますが、延々なにも映らないと心が折れる・・・ほんと映るPCが見つかってよかった。
ウルトラHD(2160 30p)キャプチャ

何も考えず画面のプロパティを3840 x 2160へ設定したところ、すんなり4Kのキャプチャに成功しました。
4Kの場合60fpsに対応していないのでリフレッシュレートは29.97に設定しました。また、HDMIケーブルも通常の(1.4?)で問題ないようです。
カラーフォーマットも4KだとYUV4:2:0になるとかなくYUV4:2:2のまま至って普通にみえます。
キャプチャ画像
次のテストパターンをデスクトップの背景に設定してキャプチャしました。

アマレコTVのスクリーンショットで保存した画像。

隅々までキャプチャできていることが判ります。
感想
キャプチャカードとしての癖は従来のIntensity Proと殆ど同じで、録画に強く、映像と音声を1フレームずつきっちりキャプチャソフトへ送ってきます。キャプチャソフトはそれを何も考えず記録すれば音ズレしにくい録画が可能と思われます。
その一方で、キャプチャカード内でタイミングを調整する(つまり、常にバッファリングしてからキャプチャソフトへデータを送る)ため処理遅延が少しだけ増えると思われ一長一短です。
結局、4Kでのキャプチャは今のところ出番がないし、
2015.3.14追記:RGBキャプチャできました。詳しくは「Intesity Pro 4K その2 RGBキャプチャできた そしてPS4も」
アマレコTV Win8でオーバーレイを使って遅延軽減
オーバーレイレンダラーを使うとアマレコTVのプレビューの表示遅延を減らすことができるので、次のアマレコTVではそのあたりを売りにしようといろいろテストしていましたが、特別なことをしなくても現状のアマレコTVにてオーバーレイレンダラーが利用できることがわかりました。
なので、現行のアマレコTVを使ってオーバーレイレンダラーがどの程度効果あるかテストします。
1.テスト方法
PCを2つ用意して「SC-512N1-L/DVIのスルー出力について検証」で利用した「くるくるベンチ for DirectDraw」を一つ目のPCで実行しHDMI出力を分配器(LKV312)で分配します。
二台目のPC(Windows8.1)にはキャプチャカードを2つ(SC512とSC500)挿して、それぞれ分配したHDMIを接続します。
分配した後のビデオ信号は基本的には同じもののようですし、使用したキャプチャカードも同じような挙動を示すため、アマレコTVを2つ使って次のようにほぼ同じタイミングでプレビューできます。

緑色の数値8092がフレーム番号で1/60秒毎にカウントアップしていきます。
数値がどちらも同じ8092なので分配器やキャプチャカードによる遅延の差はほとんど生じないことがわかります。
ここから、一方をオーバーレイレンダラーに設定してどうなるかテストします。
2.SC500(右)をオーバーレイレンダラーに設定

オーバーレイレンダラーに設定した右側のSC500の方が2114と一つ大きい数値になっています。
これは左のSC512 EVRより1フレーム分(1/60秒)早く表示できていることを示しています。
つまり、「オーバーレイレンダラーを使うとEVRより1フレーム遅延を軽減できる」と言うことがわかります。
これだけだと、たまたま差が出ただけなんじゃないかとか、本当にオーバーレイによる差なのか となるので、今度はSC512の方をオーバーレイに設定してテストします。
3.SC512(左)をオーバーレイレンダラーに設定

今度は左のオーバーレイレンダラーに設定したSC512の方の数値が大きくなりました。
このことから、キャプチャカードや分配器とは関係なくオーバーレイレンダラーにより差が出ていることがわかります。
4.まとめ
今回のテストによりWindows8で遅延を減らしたい人はオーバーレイレンダラーが有効であることがわかりました。
現行のアマレコTVでも高度な設定で「オーバーレイのみを使う」を選択することで利用できますので、プレビューの遅延を減らしたい人はお試しください。
■Windows8にてアマレコTVでオーバーレイレンダラーを使う
現行のアマレコTVでオーバーレイレンダラーを使うにはアマレコTVの高度な設定で「オーバーレイのみを使う」を選択します。

※ Windows7でデスクトップコンポジションが有効な場合、オーバーレイレンダラーは使えません。
※ オーバーレイレンダラーは同時に一つのアプリケーションでしか使えません。
次期アマレコTVではWindows8+オーバーレイレンダラーをメインとし、Windows7に関しては使えないことは無いけど制限付での動作となる予定です。