スーパーアマレココ 不具合と雑記
■不具合
ツイッターで不具合を書いてくれている人がいたので確認したところ、
マルチモニター環境で、録画対象のモニター以外のモニター上で
モノクロのマウスカーソル(メモ帳などのカーソル)を動かすと映像に黒帯が入ってしまう。
ある程度不具合報告が溜まったら修正します。
それまでは、マルチモニターの場合は気を付けて使うか、ビデオ設定の「マウスカーソルを録画する」をOFFに
してください。
■スーパーアマレコTVではありません
今回はアマレココのスーパー版ですが、今回の内容はアマレコTV4へフィードバックしていきますので
アマレコTVが良いんだって方は今後のアマレコTV4をお待ちください。
・スーパーアマレココはデスクトップキャプチャに特化した、初心者向けのアプリ。
・アマレコTV4はデスクトップキャプチャ機能やオーディオミキサーを含む、多機能な上級者向けのアプリとしていきます。
■「スーパー」って・・・
1月にアマレコTV4の紹介の中で「スーパーアマレココ」とネタっぽく書きましたが、
その時点でアマレコTV4と比べ半分くらいまでCPU負荷を軽減できるかもしれない手応えがありました。
アマレコTV4のデスクトップキャプチャ機能自体、優秀な部類に入ることを自負していたので、
そこからさらに半減となればこれはもうスーパーと言いたくなります。
で、実際はCPU負荷に加えてGPU負荷まで軽減できたことからネタではなく「スーパーアマレココ」を名乗ることにしました。
アマレココ4 その12 スーパーアマレココ 公開
1.スーパーアマレココ Ver4.11 特徴
1) デスクトップを録画することに特化 簡易性を追求
2) 簡単でありながら 極まったパフォーマンスを達成
3) Desktop Duplication APIによる安定したデスクトップキャプチャ処理
4) Windows8.1 / Windows10 64bit 専用
■簡易性
デスクトップの録画に特化したスーパーアマレココは初心者向け、
オーディオミキサーなど多機能なアマレコTVは上級者向けと言った位置づけになります。
オンラインヘルプ:アマレコ シリーズ一覧
■パフォーマンス
Desktop Duplication APIによるデスクトップキャプチャ処理とAMV4ビデオコーデックによる
エンコード処理により録画中のGPU負荷とCPU負荷の両方を極めて低く抑えます。
そのため、ウインドウモードで実行しているPCゲームの動作をほとんど妨げることなく録画できます。
ブログ記事:アマレココ4 その11 vs ShadowPlay
■安定性
Desktop Duplication APIはOSにより完全にサポートされた機能ですので、
安定したデスクトップキャプチャ機能を提供します。
また、フレームの取りこぼしを極めて低く抑えることができます。
数分程度ならHDMI出力の映像をビデオキャプチャしたものとスーパーアマレココの録画が完全に一致します。
ブログ記事:アマレココ4 その6 ストIV ベンチによるキャプチャテスト
2.スーパーアマレココ Ver4.10 ベータ版からの変更点
1) 設定画面が画面の外に出て操作出来なくなるのを修正。
2) 録画範囲が対象となるウインドウと上手く重なっていないとカクカクした動画になってしまうのを修正。
横長のゲーム画面と縦長の録画範囲だった場合に、十字のような位置関係だと
録画範囲が重なっていないと判定してしまって上手くキャプチャできませんでした。
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| GAME |
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| REC |
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3.ダウンロード
ホームページでダウンロードしてください。
アマレココ4 その11 vs ShadowPlay

1.ShadowPlay
ShadowPlayを使うためのGeForce Experience。シェアの項目をONにすると録画関連の機能を使えるようになります。
ShadowPlayのテストをするときはシェア機能をON、アマレココのテストをするときはシェア機能をOFFとしています。

デスクトップ全体を録画する場合はシェア機能の基本設定のプライバシー管理で「はい」を選択します。
この記事ではこれを「ShadowPlayデスクトップキャプチャ」と表記します。
また、「いいえ」とした場合はゲーム画面だけを録画でき、この記事では「ShadowPlayゲームキャプチャ」と表記します。

録画設定で解像度とフレームレート、ビットレートを設定できます。フレームレートを60FPSとしても、モニターのリフレッシュレートが59.94Hzであれば59.94FPSの動画ファイルとなるようです。

59.94HzのモニターでShadowPlayを使って録画したビデオファイルをAviUtl + L-SMASH Works File Readerで読み込んだ際のプロパティ。
今回のテストは59.94Hzのモニターなのでこれでちゃんと録画できていると思います。

今回のテストではインスタントリプレイを無効にし、ShadowPlayの録画は全てホットキーによる手動操作で行っています。

2.テスト方法、テスト環境
デスクトップ(1920x1080)にFF14ベンチをウインドウモード、HDサイズ(1280x720)、DirectX11、高品質(ノートPC)で実行して録画していない場合と、各キャプチャソフトで録画した場合のベンチマークスコアで評価します。
録画はデスクトップ全体(1920x720 59.94fps)とゲーム画面だけ(1280x720 59.94fps)の2種類で行います。
また、今回のベンチマークスコアには最大で5%程度の開きが観られたため、複数回テストを行い平均値で評価します。
同様のテストをされる場合は一発テストだとたまたま高いスコアだったり、たまたま低いスコアとなった場合、今回のように微差だと優劣が変わってきてしまう可能性があるので注意した方が良いかもしれません。
OS | Windows8.1 x64 Professional |
CPU | Intel(R) Core(TM) i7-4770 CPU @ 3.40GHz Haswell |
MB | ASRock H87 Performance (Intel H87) |
Memory | DDR3 1600 16GB(8GBx2 Dual Cannel) |
Video | NVIDIA GeForce GTX 1080 8GB NVIDIA GeForce GTX 650 1GB |
Monitor | 1920x1080 94.94 HDMI |
録画HDD | WD30EZRX 3TB |
Software | AmaRecCo Ver4.10 ベータ2 ShadowPlay GeForce Experience Ver3.1.0.52 Driver 375.63 ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク くるくるベンチDX11 Ver1.00 |
備考 | CPUは4コア、8スレッド、HTT対応、AVX2対応。動作クロックを3.4GHz(定格)で固定し、省電力設定およびTurbo BoostはBIOSで無効化、動作クロックがテスト中に変動しないようにしています。 |
3.テスト結果
録画 画像サイズ | ベンチスコア (平均値) | スコア低下率 | |
録画なし | - | 18612 | -0.0% |
ShadowPlay デスクトップキャプチャ | 1920x1080 59.94fps | 17925 | -3.6% |
ShadowPlay ゲームキャプチャ | 1280x720 59.94fps | 17589 | -5.4% |
アマレココ デスクトップ全体 | 1920x1080 59.94fps | 17744 | -4.6% |
アマレココ ゲームウインドウを範囲指定 | 1280x720 59.94fps | 17953 | -3.5% |
※ ShadowPlayのデスクトップキャプチャの3回目で17194を記録しましたが、明らかに低い数値なので平均値の算出から除外しました。これを平均値に加味するとアマレココより平均スコアが悪くなってしまいます。
デスクトップ全体(1920x1080)を録画する場合はShadowPlayが有利。
ゲーム画面だけ(1280x720)を録画する場合は意外にもアマレココが有利な結果となりました。
これは、アマレココは画像サイズに比例してスコアが上下するのに対し、ShadowPlayの場合はキャプチャ方式(プライバシー管理の「はい」、「いいえ」)によりスコアが変わってくるようで、デスクトップ全体を録画するよりゲーム画面だけを録画する方がスコアが低下しています。
これにより、基本的にはShadowPlayの方が有利(※)ですが、デスクトップ上のゲーム画面だけを録画するような使い方だと逆転しています。
推測になりますが、アマレココ、およびShadowPlayのデスクトップキャプチャモードはDWM(Desktop Window Manager)がレンダリングする秒間60フレームだけを処理するのに対し、ShadowPlayのゲームキャプチャモードはゲームプログラムが秒間100フレームレンダリングしたら100フレーム、ゲーム側が200フレームレンダリングしたら200フレーム分 ShadowPlayが何かしらのGPU処理を行っていて、その分スコアが低下しているのではないかと思われます。
(ShadowPlayのゲームキャプチャモードはゲーム側のFPSが高くなるとスコア面で不利になってくるかもしれない)。
※ ShadowPlayのデスクトップキャプチャに録画範囲を指定する機能があればアマレココより有利にゲーム画面だけを録画できるはずです。
4.GPUの性能が低い場合(GTX650)について
GPUの性能が低いとFF14ベンチを実行しただけでGPUクロックが最大になりGPU使用率も99%となるため、スコアは、ほぼキャプチャソフトのGPU使用率で決まってきます。
ビデオコーデックなどCPUでどんなに重たい処理をしたとしても、GPUをできるだけ使わないように設計されたキャプチャソフトが有利で、逆に、ShadowPlayの様にCPUでほとんど処理をせず、GPUで大半の処理を行うタイプはあからさまに不利となるようです。
GPUクロック | GPU使用率 | スクリーンショット | |
ShadowPlay デスクトップキャプチャ | 1058 MHz | 24% | ![]() |
アマレココ デスクトップ全体 | 540 MHz | 35% | ![]() |
録画 画像サイズ | ベンチ スコア | スコア 低下率 | スクリーンショット | |
録画無し | - | 6311 | -0.0% | ![]() |
ShadowPlay デスクトップキャプチャ | 1920x1080 59.94fps | 5135 | -18.6% | ![]() |
アマレココ デスクトップ全体 | 1920x1080 59.94fps | 5955 | -5.6% | ![]() |
GTX650だとShadowPlayの性能面での優位性は見て取れませんでした。
アマレココというより、有名どころのキャプチャソフトであればShadowPlayより明らかに高いスコアとなるのではないでしょうか。
5.まとめ
・ShadowPlayのデスクトップキャプチャモードのスコアは同条件(同じ画像サイズ)であればアマレココより有利。
・ShadowPlayのゲームキャプチャモードはゲームのfpsが60fpsより高くなると、スコア面でアマレココより不利になる可能性がある。
・アマレココのスコアは録画範囲(画像サイズ)に比例する。画像サイズが小さくなるとShadowPlayでデスクトップ全体を録画したり、ShadowPlayのゲームキャプチャモードで録画するよりアマレココのほうが有利。
・GPUの性能が悪く(例GTX650)ゲーム処理のボトルネックがGPUとなる場合、ShadowPlayの性能面での優位性は皆無となる。
・GPUの性能が悪い場合は、アマレココに限らず大抵のキャプチャソフトがShadowPlayより良いスコアになると思われる。
アマレココ4 その10 スーパー ベータ2 公開
1.主な変更点
1) GPU処理を最適化
2) 正式名称を「スーパー アマレココ」に変更
3) 録画詳細設定のダミーピクセルに「自動」を追加、デフォルト設定を「自動」に変更
4) スクリーンショットを撮った際にエラー落ちするかもしれないのを修正
5) スクリーンショットのホットキーを押しっぱなしにしたときにつく連番を修正
6) 録画詳細設定のテクスチャ数の設定を廃止
テクスチャ数の設定は私のカン違いでした。ビデオメモリをシステムメモリへ転送するテクスチャがビデオメモリとシステムメモリの
両方を消費すると思っていましたが、ビデオメモリは使わずに、システムメモリだけのようなのでビデオメモリを節約する効果はありません。設定を廃止し、転送用のテクスチャ数は6に固定しました。
ダミーピクセルを「自動」とすると、状況に合わせて自動的にダミーピクセルをONにしたり、OFFにします(録画中にON/OFFが切り替わります)。
多くのケースで「常にON」よりベンチマークのスコアが伸び、かつ、多くのケースで「常にOFF」よりフレームの取りこぼしを軽減します。
逆にいうと、「常にON」よりフレームを取りこぼす可能性があり、「常にOFF」よりスコアが低下する可能性があります。
2.ダウンロード
・スーパー アマレココ Ver4.10 ベータ版
不具合などありましたら、この記事のコメント欄に書き込んでいただけると助かります。
特に問題がなければ、このバージョンを正式版として来週ホームページで公開する予定です。
アマレココ4 その9 GPU処理の最適化
しかし、前回の記事で紹介したように「GPUの性能が低く、CPUの性能が高いPC」の場合はゲームのベンチマークスコアの面でアマレココ4の優位性が全く得られず、スコアが伸びません。(タスクマネージャでCPU使用率を見ればアマレココ4の優位性ははっきりわかるけど、それがゲームのベンチマークスコアに全く反映されない)
そこで、GPU処理についても最適化を行うことにしました。
※ アマレコTV4とアマレココ4を比較した場合のアマレココ4の優位性はRGB・YUV変換やプレビュー処理をGPUで処理することにあります。これによりCPU使用率を大幅に下げることができています。
今回はGTX650 + Haswell i7(4770)にてFHD 60fpsで録画した際のGPU負荷について簡単にテストし、GPU処理の最適化によりどの程度の効果が得られるか見ます。
1.テスト方法
FHD(1920x1080)のデスクトップにくるくるベンチをHD(1280x720)で表示して、
・キャプチャソフト起動前
・キャプチャソフトを起動してプレビューしている状態(非録画)
・デスクトップ全体を録画(1920x1080 60fps)している状態(プレビューなし)
の3つの状態をモニターソフトで観察します。
なお、ベータ1は 公開中のアマレココ4 Ver4.00。
ベータ2は 開発中のバージョンとなります。
2.結果
CPU使用率 | GPUクロック | GPU使用率 | ビデオメモリ | スクショ | |
起動前 | 1 % | 324 MHz | 24 % | 132 MB | ![]() |
ベータ1:プレビュー | 2 % | 540 MHz | 34 % | 199 MB | ![]() |
ベータ1:録画中 | 5 % | 540 MHz | 45 % | 203 MB | ![]() |
ベータ2:プレビュー | 2 % | 324 MHz | 48 % | 173 MB | ![]() |
ベータ2:録画中 | 5 % | 540 MHz | 34 % | 178 MB | ![]() |
CPUの使用率はプレビュー、録画中ともに変わっていないことがわかります。
プレビュー中は、ベータ1はGPUクロックが高く、GPU使用率が低い結果となりました。
ベータ2では逆にGPUクロックが低く、GPU使用率が高い結果となっています。
クロックが一致しないので最適化の効果があるのかどうか何とも言えません。
一応、クロックと使用率を掛けた値ではベータ2の方が低いので、最適化の効果が得られているのかなと思います。
録画中はGPUの動作クロックがともに540 MHzとなり、GPU使用率が45%から34%に下がっているので、最適化の効果がはっきりわかります。
なお、GTX1080で同様のテストを行いましたがGPUクロックがそろわず、明確な差は見て取れませんでした。
クロックと使用率を掛けた値でもほとんど同じ値でしたので、GTX1080レベルになると微差なのかもしれません。
3.ノートPCでは・・・

こちらはノートPCで同様のテストをした時の様子です(GPUに関するモニターはありません)。
タスクマネージャのグラフの左半分がベータ1で録画していた部分、右半分がベータ2で録画しているところです。
CPU処理に関してはほとんど変更を行っていないので変化が無いはずです(先のテストでもCPUの使用率に違いは見て取れない)。
しかし、このノートPCでは録画中のCPU使用率が約48%から約38%へと大幅に低下しています。
憶測になりますが、ビデオカードを搭載していない(専用のビデオメモリを持たずシステムメモリの一部をビデオメモリとして使う)PCではGPU処理の一部をCPUが肩代わりしていると言ったところでしょうか。
GPU処理の最適化によりそういった部分がそぎ落とされたのでCPU使用率が下がったものと思われます。
ただし、同じオンボードグラフィックでもIvy BridgeのデスクトップPCではCPU使用率に差が見て取れなかったので、何がこういった差になるのか本当のところは不明です。
4.ゲームのベンチマークスコアで言うと
ベータ1と比べてベータ2はGTX650で5%程度のスコア向上、GTX1080で1%程度のスコア向上が見込めるかなと思います。
アマレココ4 ベータ2はもう少しテストして今週末ブログで公開予定です。