IO DATA社製 フルHDキャプチャカード GV-USB3/HD
なお、私はアマレコTVの作者なのでアマレコTV上でGV-USB3を使う場合の話が中心となります。
パッケージ

内容物

アマレコTV4 Ver4.11の設定例 フルHD(1920x1080p) 59.94Hzの場合

デバイスは「GV-USB3」と書かれているものを選択します。
入力端子はHDMIのみなので選択肢はありません。
フォーマットの中では「fcc=YUY2」のものを選択します。なお、RGBを選択してもRGBでキャプチャできるわけではありません(YUV422でキャプチャしたものをRGBへ変換するだけのようです)。
なお、キャプチャ元となるビデオ信号(リフレッシュレート)が60Hzの場合は

アマレコTV4のフォーマット欄でfps=60.00のものを選択します。


60Hzのビデオ信号を59.94fpsで録画すると(59.94Hzを60fpsで録画する場合も)大きな問題とはなりませんが、約16秒毎に音ズレ補正が生じます。
この場合、約16秒毎に(-)のドロップがカウントされ、1フレーム間引かれます。
■動作確認
Intel Haswell Core i7とAMD Ryzen R7のPCで動作確認を行いました。
PC1 Intel Haswell | PC2 AMD Ryzen | |
OS | Windows 8.1 x64 Professional | Windows 10 x64 Home |
CPU | Intel Core i7-4770 3.40GHz | AMD Ryzen 7 1800X 3.6GHz |
マザーボード | ASRock H87 Performance | MSI B350 TOMAHAWK |
メモリ | DDR3 8GB(4GBx2) 1600MHz | DDR4 16GB (8GBx2) 2800MHz |
ビデオカード | NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti | NVIDIA GeForce GTX 650 |
GV-USB3の接続はPC背面にあるマザーボード上のUSB3.0端子を使っています。
また、GV-USB3以外のUSB3.0デバイスは接続していません。
キャプチャ元となる映像機器はノートPCのHDMI出力 1080p 59.94Hz
いずれも数時間程度使ってみましたがあっさり動作しトラブルは発生しませんでした。
・デバイスマネージャに表示されないと言ったことはありませんでした。
・動作している最中にデバイスが切断されることもありませんでした。
・PCの再起動でデバイスを見失うこともありません。
ただしPC2 Ryznのパソコンでは1時間の録画の間に数フレームの取りこぼし(GV-USB3からアマレコTV4へフレームが送られてこない)が起こることがありました。1時間録画して取りこぼしゼロの場合もありましたので、その時のPCの状態に左右されると言ったところでしょうか。
なお、PC1 Haswellでは1時間の録画テストを何度か行いましたがGV-USB3が原因と思われるフレームの取りこぼしは確認されませんでした。
フレーム取りこぼしについて
PC2 Ryzenにて録画したときのアマレコTV4のレポートファイルの一部![]()
vd=で始まる行がキャプチャカードからフレームを受け取った際の情報で、前のフレームを受け取ってからの経過時間(インターバルタイム)などが記録されています。
VT=で始まる行が録画処理に関する情報で、音ズレ補正等の情報が記録されています。
vd=00:03:13.635s( 35ms)の行は前回フレームを受け取ってから35ms後にフレームを受け取っています。59.94Hzのビデオ信号をキャプチャしているので、通常16.6ms間隔でフレームを受け取ることになりますが、この時は1フレーム取りこぼしたため16msではなく35msとなっています。
続いて、VT=00:03:13.770s( 11606f)の行は録画に関する情報ですが、先の取りこぼしを受けて音ズレしないよう1フレーム水増ししています。
こんな感じでこの録画テストでは約1時間40分録画して、9フレームの取りこぼしがありました。
■同梱のキャプチャソフトについて
GV-USB3には「HD Mix Capture」と言うキャプチャソフトが同梱されています。
GPUエンコーダーに対応していたり、webカメラの映像を合成したり、マイクの音をミキシングすることができるため実況動画を作るのに便利なキャプチャソフトとなっています。
使い勝手も良く好印象ですが、CPU負荷が高いとの指摘がされているのでそのあたりを調べてみました。
キャプチャソフト | CPU負荷 | スクリーンショット |
GV-USB3 HD Mix Capture Ver 1.00 | 10 - 11% | ![]() |
GV-USB3 HD Mix Capture Ver 1.00 フルスクリーン | 21 - 26 % | ![]() |
アマレコTV4 Ver4.11 オーバーレイレンダラー | 3 % | ![]() |
HD Mix Captureのプレビューは1分程度眺めていると何度かくるくるベンチDX11の動きがガクガクします(HD Mix Captureの表示フレームレートは安定しない)。
また、HD Mix Captureをフルスクリーンにすると更にCPU負荷が高くなるようです(タスクマネージャのグラフの盛り上がっている分部がフルスクリーン状態)。なんとなくフルスクリーンにすることで表示フレームレートが安定する気がしますが、やはりガクガクする様子が見て取れます。
アマレコTV4はオーバーレイレンダラーを使っているためスクリーンショットに映りませんが、表示フレームレートは安定しています。
アマレコTV4でもEVRを使うとHD Mix Captureと同様に表示フレームレートは不安定になります。
HD Mix Captureはキャプチャソフトを起動してプレビューした状態でCPU負荷がやや高いです。
アマレコTV4+AMV4は可逆圧縮なので高画質な代わりにファイルサイズが大きくなります。
CPU負荷がやや高いけど、高画質でファイルサイズを小さくできるHD Mix Captureに対し、ファイルサイズは大きくなるけどCPU負荷が低く完璧な画質のアマレコTV4と言ったところでしょうか。
■録画時のフレーム取りこぼしについて
他のPCで実行しているくるくるベンチDX11の様子を フルHD 1080p 59.94Fpsで1分間録画して約3600フレームのうち同じ画像が何枚録画されているか確認してみました。
くるくるベンチDX11はフレームカウント値が毎フレーム更新されるため、正常であれば同じフレーム画像は一枚も録画されません。
キャプチャソフト | コーデック | 設定 | 全フレーム数 | 検出された 同じ画像数 | 割合 |
GV-USB3 HD Mix Capture Ver 1.00 | ソフトエンコ | 最高画質 | 3661 Frame | 368 Frame | 約 10 % |
QSV | 最高画質 | 3711 Frame | 223 Frame | 約 6 % | |
NVEnc | 最高画質 | 3649 Frame | 172 Frame | 約 4 % | |
アマレコVT4 Ver4.11 | AMV4 | DS3 | 3724 Frame | 1 Frame | 約 0 % |
HD Mix Captureについてはかなり厳しい結果です。
アマレコTV4は動画の1フレーム目と2フレーム目が同じ画像でした。録画開始直後はどうしても不安定になるため冒頭の重複フレームについてはしょうがないと言ったところです。
先にも書きましたが、アマレコTV4を使えばGV-USB3を使って1時間録画してもフレームの取りこぼしゼロ(ないしは数フレーム)と言った結果ですのでGV-USB3自体はしっかりしたキャプチャカードと感じますが、同梱のHD Mix Captureに関してはちょっと厳しいと感じました。
■まとめ
GV-USB3自体
・USB3.0で危惧される相性問題は私のところでは発生しなかった
・アマレコTV4にて59.94Hz、60.00Hz両方可(選択可)
・画面の端が取り込めない(欠ける)と言ったことは無い(1920x1080をきっちりキャプチャできた)
・パソコン(USB3.0)によっては1時間で数フレームの取りこぼしが起こるかもしれない
同梱のHD Mix Capture
・CPU負荷が常時やや高め
・プレビューはフレームレートが安定しない(パススルーを使えばいい)
・録画機能は取りこぼしが目立つ(同じ画像が4%~10%記録されてしまう)