fc2ブログ
 

フレームレートの扱いについて(ffmpeg、DirectShow、ビデオキャプチャ)

画質厨の配信設定研究」のこの記事を見ながらアマレコTVとffmpegを連携させた使い方を試していますがその中のフレームレートについてのお話しです。

アマレコTVのライブ機能をffmpegを使うとフレームレートが「29.97」と表示される場合と「29.9701」と表示されることがあり「おや?」と思う場面が出てきます。
結論から言うと先のサイトに書かれている通りどちらも正解(正常)で小数点以下の扱い(非常に細かい単位)を切り捨てるか、繰り上げるかの違いです。


詳しく説明すると、フレームレートは各ソフトウエアの内部で29.97のような値ではなく、

 REFERENCE_TIME AvgTimePerFrame; // Average time per frame (100ns units)

と言うデータで管理されています(Direct Showの仕様です)。
AvgTimePerFrameは100ナノ秒(10,000,000分の1秒)単位で1フレームあたりの(平均)持続時間を管理します。
29.97fpsの場合のAvgTimePerFrameは333666または333667という値になりますが、この値(333666や333667)をそのまま表示したのでは解りにくいので、1秒間に何フレーム扱うかというfpsの形に各々のソフトウエアが計算し29.97のように表示しています。

10,000,000ns(1秒)をAvgTimePerFrameで割るとfpsになるので、それぞれ計算すると

 AvgTimePerFrame=333666の場合:fps = 10,000,000 ÷ 333666 = 29.970089・・・
 AvgTimePerFrame=333667の場合:fps = 10,000,000 ÷ 333667 = 29.970000・・・

となります。
大抵のソフトウエアはfpsの小数点以下2位または3位までしか表示しないため両者の違いが表面化することはありませんが、ffmpegは小数点以下4位まで表示(小数点以下5位を四捨五入)するため「29.9701」と「29.97」といった違いが表面化します。
しかし、その違いは一千万秒に対し1秒の誤差(115日間ぶっ続けで配信して1秒ズレる)なので通常問題になることはないでしょう。
その違いは一千万フレームに対し1秒の差(29.97fpsの場合なら92時間ぶっ続けで配信して1秒差が出る)なので通常問題になることはないでしょう。

そしてAvgTimePerFrameを決めるのは基本的にキャプチャカードです。
大抵のキャプチャカードはAvgTimePerFrame=333667なので表示上は29.97となることが多いと思います。
(現在手元にあるGV-USB2、SD-USB2CUP4、SC512、IntensityProはAvgTimePerFrame=333667)

もう一つのケースとして59.94fps(AvgTimePerFrame=166833)でキャプチャしたものをアマレコTVのライブ機能で29.97fpsにしている場合は計算精度の関係でAvgTimePerFrame=333666となります。この場合、表示は29.9701となってしまいます。

フレームレートをこちらswk's log - NTSC のフレームレートはなぜ 29.97fps なのか 」を参考に計算すると

 fps = 4.5MHz ÷ 286 ÷ 525 = 29.9700299700299700299700299700・・・

となるので、
29.97fpsにおけるAvgTimePerFrameのより正確な値は

 AvgTimePerFrame=333666.6666666666666666666666666・・・

と小数点以下に6が沢山続きます。なので333666(29.9701)よりは333667(29.97)の方が誤差が少ないと言えます。


■まとめ
・「29.9701」と「29.97」はどちらも正常。
・どちらになるかは使っているキャプチャカードのAvgTimePerFrameにより決まる。
・多くのキャプチャカードで「29.97」となる。
・59.94fpsでキャプチャしたものをライブ機能で29.97fpsにしている場合は「29.9701」となる。
・どちらかというと「29.97」の方がビデオ信号の規格との誤差が少ない


■ffmpegの"-r"オプションについて
アマレコTV Live Ver2.30からffmpegの"-r"オプションでライブ機能のフレームレートを指定できるようになりましたが、特に問題がない場合はffmpeg側からフレームレートを指定しない方が望ましいです。

-rオプションでフレームレートを指定するとキャプチャカードのフレームレートとは違うレートでffmpegが動作するため
キャプチャカードとffmpegの間でギャップが生じやすくなります。ギャップが生じるとアマレコTVのライブ機能により
意図的にフレームをドロップさせたり、同じフレームを水増しすることで調整されます(カクカクになる可能性が高まる)。

-rオプションを指定しない場合はキャプチャカードのフレームレートに合わせてffmpegが動作しますのでギャップが生じにくくなります。
関連記事


コメントの投稿

 
 
あまラボへようこそ
このブログでは自作ソフトの最新情報やtips、PC動画に関する話題を掲載していきます。各記事へは下にあるカテゴリからアクセスして下さい。

ファイルのダウンロードはホームページの方でお願い致します。

質問・要望・不具合報告はこちら
アマレコTV
アマミキ!
アマレココ
アマレコ・ライト
ファンタジーリモート
AMVコーデック



ホームページ
カテゴリ
最新コメント
カレンダー
08 | 2023/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
最新トラックバック
ブログ内タグ

アマレコTV ビデオキャプチャ アマレコVR AMVコーデック Oculus アマレココ Quest アマミキ! コーデック gQuest SC500 動画配信 Pico GO ファンタジーリモート 4K アマレコライト Unity プラグイン G2 AMV4 oculus ライブ機能 SC512 パススルー機能 デスクトップキャプチャ Passthrough AVX2 リモートソフト FAQ 質問コーナー アセット機能 ニコニコ動画 HDキャプチャ DirectShow 背景透過 120Hz Asset レゴ 遅延 解説動画 組み換え 可変再生速度 Meta LEGO MetaQuest VR GV-USB2 XL2420T 2 Pico4 倍速液晶 液晶モニター デインターレース ベンチマーク アマステ Intensity VRonVR AMV2MT MonsterX3A Pro PS4 VideoKeeper2 designs インストール Alternate AVX XCAPTURE-1 RDT233WX-Z GV-USB SD-USB2CAP4 31024 32ZP2 31006 ffmpeg 画像処理 60fps Robust Matting RGBキャプチャ Rift Video Shadow Play WindowsMR RYZEN UtVideo T2 HDMI NVEnc HDCP QSV LameACM OBS 音遅延 MP3 Haswell 電源オプション 音ズレ 録画 オーバーレイ XCapture-1 MonsterXU3.0R フィギュア ハイパースレッディングテクノロジー HT 31021 MPC 液晶テレビ DirectShowFilter プレビュー 擬似NTSCキャプチャ SD-USB2CUP4 Livetube AtomでHDキャプチャ キャプチャーツール シンクライアント イベント IntensityPro DC-HD1 額縁遅延 REGZA ZP3 倍速補完処理 32ZP32 Kabelake リプレイ機能 モノステ 倍速駆動 ゲームスムーズモード LAVFilters SkyBox Hand Tracking 2.0 ファイルマネージャプラス pytorch APIパススルー機能 API python ハンドジェスチャー パカラーススルー機能 アルファ付き動画 アルファ付きVR動画 RVM クロマキー ダウンロード AssetBundle 物理処理 download passthrough 検証 Preferred Filter Tweaker SteamVR GPU使用率 可逆圧縮 SKnet GV-USB3 キャプチャカード VR動画 フレーム間圧縮 新プレイヤー機能 AMPlayer 60Hz 新アマレコVR 90Hz VRコントローラー MR Windows SSE 

ブログ内検索
月別アーカイブ
アマレココに関するリンク
お世話になっているソフトのリンク
RSSリンクの表示
管理画面
  • 管理画面