アマレコTV 4 新オーディオレンダラー
今までのアマレコTVではWindows95のころから使われていたwaveOut APIを使って音を再生していましたが、新オーディオレンダラーではCore Audio APIに変わります。オーディオレンダラーに限らずアマレコTV 4では音に関する録音・再生処理のすべてをCore Audioで実装してあります。
Core Audio APIを使って音を再生することにより
・反応時間(レイテンシ、再生遅延)の軽減
・音質向上?
と言ったメリットがあるらしいです。
音質の向上については一般的に「排他モードを使うことでカーネルミキサーを通さずビットパーフェクトを達成できるので高音質になる」とされていますが、アマレコTV自体で扱う音の質がそもそもそこまで良くないと思いますので猫に小判と言った感じです。
反応時間の軽減については検証を行っていませんが、ステータスを見る限りではwaveOut APIより少ない反応時間でも安定した再生を行えますのでこの分部が新オーディオレンダラーの優位性となります。
オーディオレンダラーに関する項目はアマレコTVの高度な設定にあります。

今まで通り、再生デバイスと、配信デバイスの最大2系統でアマレコTVの音を再生することができます。
排他モードのチェックボックスをONにするとCore Audioの排他モードを使って再生します。
排他モードにするとOSのカーネルミキサーを通さないためその部分の音質低下を防げるとされています。
ただし、排他モードにするとアマレコTVの音しか再生できなくなります(他のアプリケーションの音は再生できなくなる)。
アマレコTVが再生デバイスを独占するため”排他モード”と言うことになります。
ちなみに、排他モードでない場合を”共有モード”と言い、様々なアプリケーションの音をカーネルミキサーがミキシングして一つの再生デバイスで再生するらしいです。
アロケータに関する設定はビデオキャプチャカードを使う場合ほぼ意味がない(変更できない)ので廃止にしようかと思いましたが、実験用に設定を残しました。通常OFFで使ってください。
再生プロパティ・配信プロパティ
各オーディオレンダラーの設定画面を表示します。
なお、各オーディオレンダラーの設定値は共通となるので別々の設定値にすることはできません。最後に設定した値が有効となります。
新オーディオレンダラーのプロパティ

【設定項目】
・バッファサイズ
100msから1000msの間で設定できます。通常200msから変更する必要はありません。
右側に表示されている「バッファ実サイズ」は実際にcore Audioが確保したバッファサイズです。設定通りに確保してくれない場合があるので確認用として表示しています。
・目標反応時間
最も重要な反応時間(レイテンシ、再生遅延)の設定です。反応時間を大きくすると遅延が増えますので基本的には小さく調整します。
ただし、反応時間が小さくなり過ぎるとプチプチノイズが生じますので、ノイズが目立たない範囲を見極めて設定してください。
実際の反応時間は画面下部に表示しています。上図だと目標が40msで現在36msの遅延(36ms分のデータが再生バッファに溜まっている)で音が再生されています。
・許容範囲1
・許容範囲2
目標値からどの範囲を許容するかの設定です。
反応時間が目標値とぴったり一致していなくても許容範囲に収まっているうちは補正を行いません。
許容範囲を超えた場合は目標値になるよう音データを補正します。この時(補正中は)音質が低下します。
補正中は画面下部の「補正回数」がどんどん増えていくので、今補正しているかどうかは補正回数で判断してください。
許容範囲1は狭い範囲の設定で補正もほとんどわからないように処理されます。
許容範囲2は広い範囲の設定で、許容範囲を超えた場合、かなり強引に補正しますので音質低下が目立ちます。その代り素早く目標値まで持っていけます。
・最低バッファリング
許容範囲の設定値によっては、許容範囲の下限が0となってしまったり、マイナスになることがあります。
その状態だと補正できないので、この値を下回った場合は僅かに補正して目標値まで持っていきます。
設定例1

目標反応時間:40ms
許容範囲1:10ms
許容範囲2:40ms
最低バッファリング:10ms
の場合、反応時間が30msから50msの範囲にあるうちは補正を行いません。
29ms以下、もしくは、51ms以上になったら反応時間が40msとなるまでほんの少しずつ補正を行います。
もし、反応時間が81msを超えた場合は短時間で反応時間が40msとなるよう強引に補正します。
最低バッファリングは先に許容範囲1の下限が働くのでこの場合意味を成しません。
設定例2

目標反応時間:10ms
許容範囲1:10ms
許容範囲2:40ms
最低バッファリング:5ms
の場合、許容範囲1と許容範囲2の下限がそれぞれ0以下なのでいずれも働きません。
その代りに反応時間が5msを下回った時に最低バッファリングが働き10msになるまでほんの少しずつ補正を行います。
【画面下部のステータス表示】
・反応時間
現在の反応時間です。この値は再生バッファに溜まっている(再生待ちの)データ量から算出しています。
最小値、最大値はそれぞれプロパティを表示してからの最小値と最大値を表示します。
・補正回数
補正を行った回数を表示します。補正を行っている最中はこの値がどんどん増えていきます。
・ドロップ
再生バッファにデータが溜まり過ぎてデータを捨てた回数を表示します。
通常0となります。もし、この値が1以上になるようならバッファサイズを増やす必要があるかもしれませんが、まともに音を再生できる環境ではない可能性が高いです。
・デバイスロスト
HDMIなどでリンクが切れて再生デバイスが使えなくなった場合にカウントされます。
・統計リセットボタン
最小値、最大値、各カウント値をリセットします。
・受け取ったサンプル
実際のアロケータサイズを表示します。
・デフォルトボタン
オーディオレンダラーの設定値を初期値に戻します。
2016.2.13追記
新オーディオレンダラーではキャプチャデバイス(キャプチャカード)のサンプリングレートと再生デバイスのサンプリングレートを一致させる必要があります。
一致しない場合は接続エラーとなります。

OSの設定で再生デバイスのサンプリングレートを合わせて下さい。
もしくは、アマレコTVの高度な設定の「フォーマットエラーを無視する」をONにすると音のプレビューはできませんが、録画等そのほかの機能は使えるようになります。

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